第3話 出会い6
顔だけで判断しようとするやつは大嫌いだと吐き捨てて、ノアがプイッと横を向くと、ヴィクトルが笑いを堪えてクックッと喉を鳴らす。
「激昂で頬を染めたお前に目が眩んだのは俺だけじゃないぞ。周囲の奴らはお前に見惚れて、俺たちの喧嘩を止めるのも忘れていたぐらいだからな。動揺した俺が、爵位を笠に着てノアを陽動させようとしたことを言い当てられて、カッと頭に血が上ったんだ。自分が恥ずかしいよ。本当に悪かった」
「だから、さっきもういいって言っただろ。これから戦争に突入すれば、僕たち従騎士は最前線に送られ、経験不足からあっけなく命を落とす奴が多いらしい。味方の中にまで敵を作って、背中から刺されたくないよ」
「絶対に刺さない。戦場での騎馬戦なら、俺みたいに身体が大きく、リーチが長くて力が強い奴が有利だ。ノアが不利になったら俺が守る」
「ばーか。戦いの最中に、他人のことを気に掛ける余裕なんてあるものか。できもしないことを言うなよ。いちおう気持ちだけはもらっておくけれどな」
照れて赤くなった頬を見られないように、ノアは俯いて地面をならすフリをした。
「ノア、そこは、さっきやっただろ」
「うるさい! あっちへ行け。お互いに両端に分かれて、真ん中に向けてやった方が効率がいい」
そうか? と首を傾げるヴィクトルの背中を押して反対側へ追いやると、ノアはほっと溜息をついた。
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