第3話 出会い4
ヴィクトルの動揺が、密着した身体から激しい鼓動と共に伝わってくる。荒く吐き出される息が耳をくすぐり、ノアは体温がじわじわと上がるのに羞恥を覚え、身体の間に手を滑り込ませて突っ張ろうとした。
ところが、びくともしない。同じ13歳の少年だというのに、この体躯の発達の速さはいかがなものか。
彼と比べれば、いまだに女の子に見間違えられる容貌と華奢な身体のノアは、腰にギュッとまとわりつくヴィクトルの腕のせいで、押し付けられた胸の厚みを意識して劣等感を抱かずにはいられなかった。
「苦しいから放せ」
「あ、ああ。ごめん」
ぱっとノアの腰に巻いた腕を解いたヴィクトルが、ノアの体重をものともせずに、腹筋だけでひょいと上半身を起こして座った。
「軽いなお前。おっと、殴るなよ。顔に反して気性が荒い奴だな」
殴りかかったノアの手をホールドしたまま、ヴィクトルが立ち上がり、釣り上げるようにノアを立たせる。
ヴィクトルが自分よりも先に、ノアのズボンや背中の土をパンパンと叩いて落とすと、胸に手を当ててノアに謝罪した。
「外見で判断したことを詫びる。申し訳なかった。クリントス卿は体格の違いを活かした戦い方を知っているからすごいよ。俺は自分の体格に頼り過ぎだな。また練習につきあってくれるか?」
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