第3話 出会い3
にらみ合った二人は、円を描くように相手の動きを観察し、どちらからともなく攻撃をしかけて剣が交差する。金属の音がこだまする中、騎士たちが仲裁にやってきたが、ヴィクトルとノアの主は、これはなかなかいい勝負だと面白がって止めはしなかった。
身体の大きさと力を利用して相手に打撃を与えるヴィクトルの攻撃は、先が潰された練習用の剣とはいえ、ノアのような華奢な従騎士がもろに食らえば、ひとたまりもない。
ノアは剣に受ける衝撃を流して受けるダメージを少なくして、大柄な相手の懐に飛び込んでは一撃を与えようとする。
「ちょこまかと鬱陶しい奴だな。いい加減に観念しろ!」
「そっちこそ降参しろ。さっきからぶんぶん剣を大振りしているだけで、かすりもしないぞ」
「なんだと!? 手加減すればいい気になって。串刺しにしてやる」
怒りで顔を真っ赤に染めたヴィクトルが突進してきたそのとき、重心をかけた足が不安定な石の上に乗り、ヴィクトルはバランスを崩した。
「うわ~っ!」
「わっ、ちょっ……」
突き出した剣ごと勢いよくノアに傾斜したヴィクトルが、ノアに当たらないように剣を放り、ノアは反射的に両手を広げてヴィクトルを抱き留めようとした。
ドサッと音がして、二人が転がった地面に土煙が上がる。
ノアは大男のヴィクトルに潰される覚悟をしたが、片腕でノアを抱きとったヴィクトルが身体を捻ったため、気が付いたら大の字に寝転がったヴィクトルの上にしがみついていた。
「危なかった。本当に串刺しにするところだった」
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