第3話 出会い1

 あの頃は隣国との関係がきな臭くなり、騎士と従騎士は、兵士の一員として演習を繰り返していた。従騎士になりたてのノアとヴィクトルは、王宮の演習場で初めて顔を合わせた。

 演習場の隅にある荷物置き場に、従騎士たちがそれぞれの騎士の主のもちものを整頓して並べ終え、演習に加わるため装具を身にまとっていたところに、ヴィクトルが入ってきた。


 ウェーブがかったプラチナブロンドを後ろで一つに結んだノアを見て、ヴィクトルが驚きに目を見張り、開口一番とんでもないことを口走った。


「どうして演習場に男装の従騎士がいるんだ? 剣の稽古はままごと遊びじゃないんだぞ。怪我をしないうちにさっさと帰れ」


 表面上は美しくたおやかなレディーにも引けを取らないと噂されるノアは、実はかなり勝気なところがある。ヴィクトルの言葉を侮蔑と取ったノアは、怒りに身を震わせながら、自分よりも一回りも大きなヴィクトルに臆することもなく怒鳴り返した。


「なんだと⁉ 僕は男だ。お前ちゃんと目が見えているのか? 男女の区別もつかないくらい目が悪いのなら、お前こそ戦場では役に立たないだろう。足手まといにならないように出ていけよ」


「きさま、俺がハリフォード伯爵家のヴィクトルと知って生意気な口を利くのか? 名を名乗れ。剣でお前のプライドごと切り刻んでやる」


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