第2話

その日の放課後ゆいが一人でいたので勇気を出して声を掛けた。

「ねぇゆい…私なんかしたかな」

「…知らない。自分でなにかしたって思ったならそうなんじゃない?」

「…え?」

「てゆうか、もう話しかけないでくれる?りんかと居ると疲れるんだよねー笑笑自己中女」


なにを言っているのか…わからなかった。

現実か夢か。

夢であってほしかった。


「あ!!やっとみか来た!!遅いよ〜!!」

「ごめんごめん笑笑」

「みかが遅いせいであいつに話しかけられたんだけど!?笑」

「えーごめんー笑あ、じゃあお詫びにマック寄ってこ!」

「おお!さいこー!」

 楽しげに話す二人をよそに私は恐怖と悲しさで覆われていた。

ゆいがあんなこと言うとは知らなかった、みかがあんなに怖い人だとは思わなかった。

ただ怖かった、悲しかった。


「…私の、せい?」



 それからというものの私は二人がだんだん怖くなっていった。

二人の話し声が聞こえると怖くなっていつの間にか呼吸が苦しくなる時があった。

でも誰にも相談できない。したくない。迷惑をかけたくなかった。迷惑をかけたら嫌われる。これ以上嫌われるのはごめんだった。



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