第9話 波乱万丈!カッコイイバトルシーン見せます!


カンッカンッカンッカンッ!


プヨヨンプヨヨンプヨヨン


カンッカンッカンッガスンッ!


プヨン……


「きゃぁぁぁぁぁーっ!」


こんにちは、アスモ デウスです。


俺は今何をやっているのかというと、


屋根の修繕です……


一昨日、リリちゃんのお母さんを助けた次の日に、修繕するための材料を買いに(デートに)行きました。


昨日の昼から始めて、ガラガラ、バンバン、カンカンと作業をしています。


そして今、振り下ろしたハンマーが、俺の親指に隕石の如く降ってきました。


痛いし高いし怖いしぃぃぃぃぃっ!


あと1枚のところで、この有様……


アビスが手伝ってくれてるくらい、かなり捗ってはいるんだけどさ!


カンッカンッカンッカンッ!


「ふぅーっ!よしっ!」


涙目になりながら、なんとか修繕終わり!


「終わったぁーっ!」


さすがにプロじゃないから、ガタガタな感じになっちゃったけど、まぁ屋根にはなってる!(はず)


「アビス!手伝ってくれてありがとうなー!」


俺はそっとアビスを持ち上げる。


「あぁ〜ん、やわもちプルんプルんで癒されるぅ〜」


と、アビスよしよしプルプルしていたら、


ボスゥゥゥゥン!と猛毒の霧を喰らう!


「くっさぁぁぁぁぁーっ!」


俺は状態異常耐性があるから、毒は喰らわないけど、臭いのは感じるのぉぉぉ


そうやって、アビスと毒で戯れていたら


サラ

『ちょっとー!?遊んでるんじゃないでしょうねー!ちゃんと終わったのー!?』


玄関の入口から、サラさんが顔を出していた。


「あ、はーい!終わりましたよー!」


「アビスも頑張ってくれましたー!」


サラ

『そう、それならよかったわー!そしたら、朝ごはん出来たから早く食べに降りてきなさーい!』


「はーい!ありがとうございまーす!」


屋根の上と玄関くらいの距離感で話すと「まーす」みたいに、なんか伸びちゃうよね!


なんでだろうね!


不思議だよね!


俺はイソイソと、屋根から降りて、朝ごはんの良い匂いがする方へ自然と体が動く。


食卓には、それはそれは美味しそうな朝ごはんが並んでおり、待ってました!と言わんばかりに椅子に座った。


今日も美味そうな料理が並び、ヨダレが垂れそうだった。


もちろん!垂れていた……


サラ

『ほら!アモ……アスモ!早くたべちゃいなさい!』


この後なんか予定があるのかな?


「はい!いただきますっ!」


「屋根の修繕は終わりましたけど、今日は何かあるんですか?」


サラ

『はぁ?冒険者ギルドに行って、依頼を受けるのよ!』


サラ

『このご飯もお金がかかってるのよ?稼ぎに行かないと明日からパンだけになるわ!』


それは勘弁だ!


美味しいご飯が食べたい!!


もう普通に胃袋を掴まれていた……


「そ、それは由々しき事態ですね……」


「俺も行きます!」


サラ

『当たり前でしょ!アスモも来るのよ』


「あ、はーい……」


そう!俺は気づいていたのだった!


ヒモであることを!!


お金がないっ!!


ぜんっぜんない!!


……

稼がねばっ!


俺達は朝食を済ませ、冒険者ギルドに向かった。


今度はちゃんと優しくドアを開けた!


すると目の前に、


なんと!


スキンヘッド&ロン毛冒険者がいーるではありませんかぁ


衝撃波喰らわせたろかっ!


スキンヘッド冒険者

「ん?……おめぇは、頭お花畑やろうじゃねぇか」



なっ!!!!?


な……


なんで一昨日俺が頭お花畑になっていたことを知ってるんだこいつは!!?


そういうスキルかっ!?


一瞬で茎だけになったけど……


ロン毛の冒険者

『ワハハハッ!またあれか?金貸してくれって頼みに来たのか?』


くっ……!


お金が無いことは事実だから、強く出れない!

悔しいわっ!


くぅぅっ!


サラ

『あんたらね……』


サラさんの周りの空気が動く。

なんか嫌な予感しかしないんですけどぉぉ


サラ

『あんたらがアスモをバカにしたやつらねぇぇぇ!』


サラさんの周りの空気が、一気に


弾けた。


ガシャァァァァン!

スキンヘッド冒険者が、吹き飛ぶ。


ドシャァァァァン!

ロン毛冒険者が、吹き飛ぶ。


ズシャァァァァン!

俺も吹き飛ぶ!!

(脳内:きゃぁぁぁぁぁーっ!)


サラ

『今度アスモをバカにしたら、これじゃ済まないわよっ!』


スキンヘッド冒険者

『あたたたた、サラ!てめぇ!またやりやがったな!』


ロン毛冒険者は、当たり所が悪く気絶している。


少しスッキリしている俺だが、どこかスッキリしてない状況に、心がカオス!


「いたたた……サラさん、ちょっと落ち着いてくださいぃ〜」


サラ

『ふんっ!何よっ!アスモもこいつらのこと、ぶっ飛ばしたかったでしょ!』


「……まぁ、あの時は頭にきましたが、今は俺も吹き飛ばされて、それどころじゃありません……」


サラ

『あ、やだ。ごめんね、大丈夫?』


衝撃波のツン!!

心配のデレ!!

ツンデレ使いこなしすぎぃぃぃぃ!


スキンヘッド冒険者

『何勝手にイチャイチャしてんだ!サラお前の強さは知ってるけどよぉ、調子乗ってんじゃねぇぞ!』


サラ

『あら?やる気?相手になるわよ?』


余裕そうなサラさんの態度に、苛立ちを隠せないスキンヘッドの頭が、


見事に茹で上がっていた!


茹でダコだっ!!


茹でダコ冒険者

『ちっ!!……サラお前……マジで覚えてろよっ……』


そう言い放ち、ロン毛冒険者の足を引っ張りながら、ギルドを出ていった


「サラさん大丈夫なんですか?あんな茹で上がらせちゃって……後から大変なことになるんじゃ……?」


サラ

『大丈夫よあんなヤツら!向かってきたら吹き飛ばしてやるんだからっ!』


サラさんは自信満々で、フンスッ!ってしてる。


これはこれで、かわゆ〜!


そんなこんなで、まず俺たちは正式にパーティ登録をした。


サラ

『パーティ名どうしましょうか……私はなんでもいいわよ名前なんて。アスモが決めてよ。』


「えっ!?パーティ名ですか?……」


……


またセンスの無さを、爆発させちゃうイベントが発生した……


パーティ名……


パパパパーティとかじゃだめなかな……


ダメですね、はい……


俺の悪魔の名前……


アビスはデビルスライム……


デビルってこっちでも悪魔的な意味なのかな……?


ん〜、デビルは微妙だなぁ、違う言葉でないかなぁ…


あれ?ラテン語でなんて言うんだっけ……?


なんかゲームとかアニメとかで、ちょいちょいで来るやつ……


……


「ディア……ボルス……?」


サラ

『あら!いい響きじゃないディアボルス!気に入ったわ!それにしましょう!』


あれれれれぇぇー?


また口に出てたぁぁぁー?


「あ、いや、今は考えが口に出ちゃってて!」


「あんまり良い意味ではないです!」


サラ

『どういう意味なのよ?』


「あ、えーとぉ……」

「あ、悪魔って意味ですぅ……」


サラ

『悪魔!?それはちょっと教会に目をつけられそうだわ……却下っ!』


「ですよねぇ〜」


教会に目をつけられるのは、よく分からんけどめんどくさい気がするから避けなければっ!


でもぉ〜


でもでもぉぉ〜


パーチー名が思い浮かばないぃぃぃっ!


サラ

『いいわっ!そうしたら、パーティ名は後にしましょ!こんなとこで時間かかっても仕方が無いでしょ!優柔不断ね!』


イライラしている様子全開だった!


「す、すみません〜……」


名付けなんてほとんどしないからぁ!


そんなセンスないですぅぅぅっ!


アビスの名前が奇跡だったんですぅぅぅっ!


依頼から帰ってくるまでには、考えとかないと怒られそうだ……


サラさんは俺が悩みに悩んでる間にパパっと依頼を受注したようで


サラ

『ほら!ボーっと突っ立ってないで依頼行くわよ!』


「あ、はい!ちょっと待ってくださいぃ〜」


俺の事なんて、気にしてないばりの速度で歩いている!


いや、これはもう競歩の領域くらい早いぃ!


俺はアビスを肩に乗せて、走って追いかけた。


「どんな依頼を受けたんですか?」


サラ

『オークの討伐よ。最近魔物の森に出没することが多く(オーク)なってるみたいなのよ』


ん?ダジャレかな?


サラ

『オークって体が大きいから複数体に囲まれるとやっかいなのよね。』


真剣に話してるから、ダジャレではなさそうだな…

すみません。


「そうなんですね……複数体で現れることが多い魔物なんですか?」


サラ

『そうね。ゴブリンよりも仲間意識が高くて、群れることが多いわ』


サラ

『もしオークを見つけても、すぐに突っ込んじゃダメだからね!』


「分かりました!まずは様子を見てサラさんの指示に従います!」


サラ

『初めてのオーク討伐ならその方がいいわね。アスモって、すぐ心配になる行動するから!』


心配してくれているぅぅぅ!

よし!

ちゃんと言うこと聞いて、いい所を見せよう!


……


なんだろ?

なんか、忠犬の心境になってきてないこれ?


サラ

『アスモ!』


急に小声で俺の口を塞ぐ、


「!!!」

「ど、どうしたんですか?」


俺も小声になる。


サラ

『いたわ……4体ってとこかしら……』


遠くに見える木の間から、豚の顔だけど人型のような魔物が動いていた。


俺は『気配察知』のスキルを使った。


たしかに、4体のオークの気配がある。


すごいなサラさん。

あんな遠くにいるのに、何体いるかまで分かるなんて。


優秀な冒険者なんだな。


サラ

『私が2体やるから、アスモは残りの2体頼むわよ』


耳元で小声で指示されるもんだから


ヒュンっ!

てなるよね!?


ねぇ!なるよね!?俺だけじゃないよねっ!?


「あ、はい!分かりました」


とは言ったものの、


え?2体も?


俺が?


まじで?


ででででできるかなぁぁ……


初めてのオークに緊張しながらも、俺とサラさんはジリジリとオークに近づく。


座っている2体が俺とのことです。はい。


サラ

『行くわよっ!!』


サラさんが歩いているオークに向かって、

一気に距離を詰める。


俺もサラさんに続く!


つもりだったが、転んだ!


なんでそんなとこに木の根っこ飛び出してんだよぉぉぉぉ!


サラさんは、俺に構わずオークの1体を撃破。


2対目に向かっている。


俺の担当するオーク2体は、異常事態に気づき、サラさんの方に向かおうとしている。


あ、これはマズイ。


と思ったので、卑怯な技を使わせて頂きますっ!


はい、弱めの『レンチン術〜』


ジュジュジュジュジュ!


オーク1体が焼け焦げた。


片割れのオークが、俺に気づいた。


距離を詰めてくる!


俺は起き上がり、もう1発レンチン術を発動した!


「喰らえっ!レンチン術!」(相変わらずダサい!)


……


今頃、先程倒したオークのように、


ジュジュっと焼け焦げているはずだったんだが…


発動しないんですけどぉぉぉぉぉっ!


うわわわっ!


オークが急接近してくるぅぅぅっ!


オークが手に持っている斧を、俺に振りかざす!


風を切るような音と共に、斧が俺の横スレスレをブンっ!と、通り過ぎる。


最低限の動作で、半歩横に身をズラし、

華麗に回避したのだ…


ふん、チョロいな。


こうなる予定だったけど、実際はこう。


「きゃぁぁぁぁぁーっ!」


俺は大袈裟に真横にジャンピング回避っ!


ズサァァァァァー!っと野球選手ばりの1塁へスライディングでセーフ!!


なんでぇぇぇ!?


なんでレンチン術発動しないのぉぉっ!?


今までそんなこと無かったのに!!!


いや

待てよ…


今まで連発したことはなかったよな…


クールタイムみたいなのがあるのかもしれない!


きっとそうだ!


オークは、そんな考察中の俺に遠慮もなく、

2発目の斧ブンッ!


「きゃぁぁぁぁぁーっ!」


絶叫マシーンに乗っているかの如く、立て続けに悲鳴をあげる俺!


そして、2塁へスライディングセーフ!


サラ

『アスモ!!』


サラさんは、別の2体を倒したのか、俺の援護に向かってくれようとしている。


オークは3度目の正直と言わんばかりのテンションで、

斧を振りかざそうとしている。


あ、サラさんと言えば衝撃波あるじゃん!


と思い、俺はオークに手のひらを向けた。


ここで、正直な話をしよう。


恐怖のあまり心のコントロールができませんでした。


『衝撃波』


ゴゥオォォォォンッ!!


その文字通り、轟音と共に、

目の前からオークが、


木っ端微塵になり、消し飛んだ。


「きゃぁぁぁぁぁーっ!」


ジェットコースター急降下ばりの3度目の悲鳴をあげてしまった。


いや、だってぇぇぇ!


レンチン術初めて使った時の、ゴブリン溶けた時並みなんだもん!


木っ端微塵よ!?


破裂!破裂したのっ!


もう、生き物の構造ごと拒否しましたレベルの木っ端微塵!!


サラ

『アスモ!大丈夫!?』


サラ

『というか、あんた今何したのよっ!?』


「はい、えーと……サラさんからコピーした衝撃波のスキルを使ったんですが…恐怖のあまり調整できなかったですぅ」


サラ

『衝撃波のスキルは、普通あんな威力は出せないわよっ!』


サラ

『あんた……一体、何者なの……?』


雑女神が言っていた。『普通の人よりちょっと強い』というのが、スキルの効果も高めているのだろうか?


うーん……


わからんっ!


「ビ、ビックリしましたよね!俺もあんな木っ端微塵になるなんて想像もしていませんでした…」


「普通の人間なんですけどねホント……」


「驚かせてしまって、すみません」


サラ

『……まぁ、いいわ!今はそれを信じてあげる!』


サラ

『結果的にオークの討伐は達成したし2人とも無傷だから、良しとしましょっ!』


サラさんは、あまり追求してこなかったけど、いつかはちゃんと話さないといけないよな……


サラ

『でも困ったわね…』


「何がですか?」


サラ

『オークよ。倒したオークの数が多いから、2人じゃギルドに渡せないじゃない』


「あ、そしたら俺がしまっときますね!」


1体目シュルン!


2体目シュルン!


3体目を一緒にシュルルルルン!


ん〜〜!きもちぃぃぃ!


4体目は木っ端微塵だから大型の掃除機とかないと無理そう…


はっ!……

しまった……


ついなんも考えずにシュルルンしてしまった……


サラ

『ちょ、……アスモ!あんたそういえば、アビスが急に出てきた時も、収納がなんたらとか言ってたわよね!』


サラ

『何よ今の!オークはどこに消えたの!?ちゃんと説明しなさいよっ!』


そうだった。


アビスが出てきて、テイムしたことで、話そびれていたんだった……


「あ、俺、収納のスキルあるんですよ!」


サラさんにさらっと言ってみた。


はい。ダジャレです。すみません。


誤魔化しても仕方ないし!


誤魔化せるような状況でもないし!


サラ

『……はぁぁぁぁ……もう、いいわ。わかった。アスモはいろいろと規格外って思うことにしたわ』


サラ

『模倣保存(コピーストック)といい、よく分からない相手を焼くスキルといい、アビスのテイムといい……』


サラ

『これからパーティ組むんだから、ちょっとずつ説明してよね!』


呆れられて諦めてくれた感満載!


「はい!もちろんです!俺も分からないことが多いですが、説明出来るところからしていきますね!」


そう、


分からないことがまた多いんだよね。

さっきのレンチン術が連発出来なかった事といい、


俺の衝撃波の威力が、サラさんの衝撃波よりも強い事といい……


ちゃんと俺自身の事なんだから、分かっとかないとだよな。


今度1日一人で修行をかねて、またこの森に来てみるか…


怖いけどぉぉ……


サラ

『そしたら、オークも回収してくれたし、そろそろギルドに戻るわよ!』


俺のことを追求することもせず、俺を信頼してくれているような感じがした。


俺も、もっとサラさんを信用しないといけないな。


今度、ご飯を食べながらでも、今わかってる範囲のことを話してみよう。


もしかしたら、相談したら分かることがあるかもしれないし!


「はい!」

俺は笑顔で答えた。


俺達は、冒険者ギルドに戻る


はずだったpart2!


ゴゴゴゥオオォォォォォォォン!

ガラガラガラ……


ギルドへの帰りの道中、少し離れた山側の方から、


文字通り轟音が聞こえた。これもpart2!


スキルの時とは違い、崖が崩れた?ような自然の音に聞こえた。


「うわっ!な、なんですか!?」


サラ

『山の方でなんかあったわね…』


サラ

『確認しに行くわよ!』


興味津々と言わんばかりに、サラさんは楽しそうに走り出した。


「え!?ちょ、サラさーん!待ってくださいよぉぉ」


俺達は、音が聞こえた方向に走った。


そして俺は転んだ。


3回くらい。


木の根っこ出過ぎっ!!!整備されて無さすぎぃぃ!


七転び八起きしながら走っていると、前方に砂煙が見えた。


なんだろ?


山の一部分が崩れたように、絶壁の崖が出来ていた。


サラ

『山が崩れた音だったみたいね。でもどうして……?』


「地震とかなかったですもんね。急に音がしましたし…」


サラ

『そうね…』


ただ、山が一部分崩れただけだったからなのか、少しつまらなそうにしているサラさん。


サラ

『……ちょっと待って』


サラ

『なんか洞窟みたいなのがあるわよ!』


「え?」


サラが指さした方向を見ると、確かに洞窟がある。

しかも、自然の洞窟というよりも、入口がある。


しっかりと石の枠で縁取られた入口が。


サラ

『あれ……ダンジョンじゃないっ!?』


サラ

『大変よアスモ!ダンジョンよあれ!』


テンションがぶち上がっているサラさん……


かわゆーーーっす!


というか、ダンジョンっ!?


あのファンタジー王道のっ!?


冒険者といえば!みたいなあのダンジョンっ!?


危険な香りがプンプンするよぉ。


「ダンジョンって危ないんじゃないんですか?大丈夫なんですか?」


サラ

『そうね!安全とは言い難いわね!』


サラ

『でも、ダンジョンには、隠されたお宝があったり、最奥にいるボスを倒すと、『スキルの書』を手に入れられたりするって噂を聞いたことがあるわ!』


ほほぉ…


スキルの書……


それはたしかに、ロマンがあるっ!!


サラ

『私達が一番乗りよ!ついてるわ!』


「え?今から向かうんですか?」


サラ

『当たり前じゃない!こんなチャンス滅多にないのよ!?』


冒険者だし、一攫千金!みたいな感じなのかな?


「で、でも!向かうにしても、もう少し準備してからの方が良くないですか?」


サラ

『ダメよ!他の冒険者たちに先を越されるわ!オークの討伐もすぐ終わったわけだし、食料も水もほとんど減ってないでしょ?』


サラ

『今以上の準備なんて、お金もない私達には出来ないわ!』


すげぇぇぇ正論!

返す言葉もございませぇぇぇん!


サラ

『ほら!グズグズしないで行くわよ!』


「は、はい!」


俺達はダンジョンの入口に走って向かう。


うわぁ……


近くで見ると入口デカッ!!


洞窟もなんか怖っ!!


オォォォォォォォォとか言ってるんですけど!!


風が入ってる音なんだろうけど……


なんか怖いぃぃ!!


サラ

『ほら、行くわよ!』


サラさんもさすがに走る様子はなく、警戒しながら進もうとしている感じがした。


「本当に行くんですかぁ!?ちょ、待ってくださいよぉぉ…」


オォォォォォォォォって言う入口に入ったことある!?


すごい怖いからホント!


薄暗い洞窟の奥を、俺とサラさんはゆっくり進んでいく…


背中のゾクゾク感がすごい…


インフルエンザかも?


(脳内:誰かたすけてぇぇぇぇぇーっ!)


(第10話に続く)

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「こんにちわ、アスモ デウスです。」 納得がいかない名前で過ごす、スローライフと呼べるかわからんライフ ジョンジ @jyonji_ameba

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