第64話 鍛治職人
レイとオウロは、目の前に立つ盗賊達をターゲットする。
「オウロ、あの人達は俺が前に入ってカバーする。俺たちでこいつらを挟み込んで無力化しよう。」
「了解した、見せよう、僕らの連携を!」
レイは高く跳び上がり、盗賊達を飛び越えて女性達の前に入る。
盗賊達は空を跳ぶレイを眺めることしかできない、予想できない行動だったからだ。
レイの着地と同時に、ハンマーを構えた女性が問いかける。
「あんた、カラマタで噂の黒剣の戦士か?」
「噂なのか?まあ、この黒剣とは運命的な出会いをしたからな、噂になってるなら嬉しいよ。俺たちがこいつらを止める、3人はそこで待っててくれ。」
「いいのか?あたしも少しなら力になれる─。」
「大丈夫だ、大切な技術が詰め込まれたその腕をこれ以上傷つけさせたくない。戦いは、俺たち戦闘員に任せてくれ。」
レイは黒剣の柄に手を添え、ドスドスっと斧と剣を構える2人の男が迫る。
2人の動きを冷静に分析し、
(斧の大ぶりな一撃と、剣の突きが出る構え、ならこっちは。)
「お前も金になりそうだ、名前だけの男はここで死んでおけ!」
「すぅー、一の型、
抜刀の斬り上げと共に、目の前の盗賊の斧を砕く。
驚いている姿をよそに、レイは後方の男に接近する。
「続けて、
抜刀で斬り上げた勢いを殺し、斬り下ろすことで男の剣を地面に叩きつけ刃を折る。
一連の動作を盗賊2人は目で追う事すらできない。
「うっ、なんだこいつの動き。」
「見たことないなら記憶に刻んでおけ、今日は大サービスだ!」
「お前ら!数でやっちまえ!」
盗賊が合図と共に動くが、レイは後方にいる2人の盗賊の武器を黒剣で手から弾き落とし、背後から殴りかかる盗賊達は回転しながら足で蹴り飛ばし、目の前の2人はオウロが使う
2秒も経過しないうちに、4人の男が地面に伏せる。
「げほっ、なんでこんな奴がここに。」
「お前達の行いが許せなかっただけだ、しっかり反省しろ。」
「ちっ、ならもう1人の男からやっちまえ!」
斧を構えた2人の盗賊がオウロに迫る。
「レイくんが倒せないなら、僕は倒せるって考えかな?舐められたもんだね、その判断は大間違いだよ。
2人の盗賊に対し、目で追えない拳の7連撃が武器を弾き顎に1発ずつ入れられその場にバタンッ!と倒れる。
さらに2人の男が剣を持って迫るが、
「遅いよ、僕らを倒すならマクセルさんのところで数年鍛えてきた方がいいね。」
オウロは目の前の男の剣を避け、2人が縦一列になった瞬間を狙い掌底付きで2人とも吹き飛ばす。
黒く焦げた木にぶつかり、地面に倒れ込む。
盗賊は残り2人。
「さあ、2対2のフェアな状況になったよ、どうする?」
「な、なんでこんなところにお前達みたいなのがいるんだよ!予定と違う、ふざけるな!」
「予想外だったか?ならお前達の予測が甘いってことだ、諦めろ。」
「や、やめてくれ!俺たちはこいつらに乗せられただけで─。」
「そうやって助けを求める人たちを、お前達は何人傷つけた?自分達だけ助かろうというのは、流石に許されないだろ。」
レイは黒剣を、オウロは足蹴りを残りの盗賊に振り下ろす。
「い、いやだぁぁ!!」
ブンッ!と鋭い風が空を切り、2人の眼前でレイとオウロの攻撃が止まる。
接するまで1cmの距離で。
「あっ、ぁぁ。」
「お前達が傷つけてきた人たちの痛みを、これからじっくりと味わえ。」
盗賊2人はその場で気を失い、倒れ込む。
接敵して開戦、そこから制圧まで15秒で終わらせたレイとオウロ。
「さすがだね、レイくん。やっぱり動きやすかったよ!」
「俺もだ、オウロ。伊達にパートナーしてないな。」
「ああ、盗賊達はカラマタに連絡して自警団に任せるから、あの人達はお願いしていいかい?」
「分かった、任せてくれ。」
レイは女性と老人たちを見つめる。
「遅くなってすまなかった、怪我の治療をさせてくれ。」
「ありがとう、黒剣の戦士。」
「レイだ、カラマタのギルドに今は所属してる。後ろの2人は大丈夫か?」
「あ、ああ、お嬢さんに助けてもらったから何ともないよ!」
「さすが、そのハンマーは俺でも分かるほどに精錬された武器だもんな。……もしかして、あんたがカグヤか?」
レイは女性の顔を見つめ問いかける。
「初対面から呼び捨てとは、君はなかなかに肝がすわっているな。そうだよ、あたしがカグヤ・ミリアムだ、よろしく。」
「褒め言葉ととらえさせてくれ、本当にここにいるなんてな、マクセルの情報もさすがだな。」
「カラマタだからマクセル兄さんのギルドメンバーか。あたし達はここの村に住んでいたんだけど、破滅させられてしまった、その時にお世話になってたよ。」
「確か、オオカミ型のモンスターに襲われたんだよな?」
「……世間的にはそう伝えられているだろうけど、あたしは違うと思ってる。あの動きは、人の動きみたいだった。」
「人の動き、まさか。」
レイの頭に浮かぶ人の動きをするモンスター。
いや、モンスターと呼んでいいのかまだ分からない存在、二足歩行オオカミ型モンスターが頭に。
この村が破滅した理由は、はたして?
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