第251話 道先案内人
リン達の目の前に現れたのは、全長5mほどの巨大な二足歩行オオカミ型モンスターであった。
武器も身につけており、何者かに改造されて無理やりこの世界に生み出されたのが見て取れる。
「みなさん、ここで消耗し過ぎてはいけません。この大型は厄介そうですが、わたくし達の力を合わせれば倒せないことはありません。」
「了解してるぜ、師範!セラ、俺についてこい!オウロとアンジェは足を狙ってくれ!師範、トドメを刺すのは任せる!」
「おう!」
リンの合図で、リンとセラは大型オオカミ型の右手へ向け走り出す。
「がぉぉ!」
動き出した2人に対し、大型オオカミ型はその大きな鉤爪を放つ。
タイミング同時に2人はスライディングして避け、
「当たりなさい!」
セラの弾丸が鉤爪のない肌に直撃。
しかし、出血はするも大きなダメージをは見受けられない。
そのオオカミ型の大きな体から、震えあがるような低い声が放たれる。
「生意気、な!」
「頑丈そうな装備だな、でも、外側だけ固めても意味を成さないぞ!八の型、
突きを大型オオカミ型の左手に放ち、突き刺すと同様に衝撃波を放つ。
危機を覚えたのか、一度リンから距離をとる大型オオカミ型。
その位置には、
「逃がしませんよ。五段、
アンジェは回転して竜巻を起こし、大型オオカミ型を覆う。
「ぐがぁ、邪魔だ!」
鋭く尻尾がアンジェに向け振りぬかれる。
「僕に任せてくれ!
オウロは拳を地面に打ち付け、地面を壁の様に浮き出し防御する。
大型オオカミ型にできた隙を見逃さず、
「照らせ、
セラが銃剣に術式を発動し、氷の斬撃が右手に直撃。
拳から腕にかけて凍り付き、動きが鈍くなる。
「ぐぉぉ!!」
怒りに任せた巨体の回転で、自分からリン達を遠ざけさせる。
「こいつ、かなりタフだな。」
「リン、大きな隙はいりません、1秒わたくしに頭を狙う時間をください。」
「OK!スイッチだ、アンジェと俺が足を!セラとオウロは手を抑える!」
「了解!」
リンとアンジェは武器を構え、正面から足を狙って突き進む。
「死ね、愚か者ども!」
「愚かかどうか、その身で確かめてみな!
リンは分身を2体生み出し、3人が居合斬りを右足に放つ。
直撃し、出血も見られる。
そこに畳みかけてアンジェが攻撃を繰り出す。
「八段、
足に短刀を装備し、踊るように右足を斬りつける。
「ぐがぁ!?」
1発1発は大きなダメージではなくても、塵も積もれば山となる。
右足のダメージが大きく、バランスを崩した。
「こいつらっ!」
鉤爪を装備した右の拳を、リン達に振り下ろす。
「ちっ!」
なんとか2人は避けるが、風圧で距離を取らせられる。
そのタイミングを狙って、セラとオウロは高く跳び、
「
オウロの鋭い蹴りが、振り下ろされた右手を襲う。
「お前も、邪魔だ!」
「そうだろうね、君の妨害をするのが僕の役割だから。そして!」
セラは銃剣を構え、
「輝け、
銃剣に魔術を展開し、黒紫色の光が大型オオカミ型を襲い、重力が増やされ右手を動かせなくなる。
「師範!」
「ありがとうございます、皆さん。九の型、
純白の刀を逆手に構え、ムクナは大型オオカミ型の顔に向け縦回転斬りを浴びせる。
「うがぁ!!」
大きなダメージを負った大型オオカミ型は、その場に倒れ行動不能となる。
「さすがです、皆さん。初めての個体でしたが、問題なく行動不能にできました。」
「師範の強さには、改めて驚かされます。うちらももっと精進しなくてはいけませんね、兄さん。」
「……ああ、そんな師範に頼みがある。この周りに、嫌な気配が集まってきてないか?」
「そうですね、やはりわたくし達が来ることを予測していたみたいですね。ならば、やることは1つですね。
「ですが、ムクナさん1人でこの数を相手するのはさすがに厳しいのでは。」
「わたくし1人ではありません、ほら、声が聞こえませんか?」
耳を澄ますと、リン達にとある声が。
「これが最後の戦いだ!気を引き締めろ!」
「おおっ!!」
遠くから大勢の声が聞こえた。
リン達の進む西側から。
「この声って、まさか。」
「そうです、ワノモトに残っている戦士をかき集めた最後の防衛線を築く方々です。道を拓くのはわたくし達の仕事、イリオスでの役目は皆さまにお任せします。時間がありません、一気に駆け抜けますよ!」
「了解、無茶しすぎないでくれよ、師範。」
「お優しいですわね、リン。あなた方にも同じことを依頼します、イリオスとワノモトの為、世界を救って必ず帰りなさい!」
ムクナは武器を構え、リン達の先頭に立ち、辺りからオオカミ型の声が聞こえながらも、皆駆け抜けていく。
ユグドラシルまで、あともう少しの所にまで辿り着いていた。
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