第238話 更なる敵
リンはセラと並び、目の前から迫るオオカミ型8体と対峙する。
背中側では、アンジェとオウロが5体のオオカミ型と一進一退の攻防を繰り広げている。
「リン、私が先行するからあなたがカバーポジションにつきなさい。」
「なんだ、俺のこと心配してくれてるのか?」
「当たり前でしょ!あなたが死んだら、今回の作戦が水の泡なのよ!」
「そんな怒らなくても分かってるよ、セラの優しさが少し沁みただけだ。」
「あら、そう。いつか凍り付けにするから、それまで耐えなきなさい。」
「怖い活の入れ方だな、セラらしいけど!」
セラが先に走り出し、リンも後を追う。
「美味そうな人間だ、殺せ。」
「がぁぁ!」
新手のオオカミ型もセラ達目掛け勢いよく迫る。
「輝け、
銃剣に魔術を発動し、弾丸を1発放つと共に氷の光線が放たれる。
先陣を切っていたオオカミ型は避けるが、後方2体は下半身が凍らされる。
「がぁ!?」
「厄介なのは女だ、殺れ。」
先頭の2体が爪を構え、風を切り迫る。
「悪いわね、厄介なのは私だけじゃないわよ。」
「そういうことだ、厄介者は2人だぞ。
リンは分身を2人生み出し、正面から2体のオオカミ型を居合斬りでダメージを負わせる。
「そんな力で、俺たちは死なない。」
「そうか、なら動けなくなるまで攻撃するだけだ。」
リンの攻撃に合わせ、セラも接近し、
「輝け、
銃剣が黒く光り、弾丸が6発放たれ、魔術により2倍に増え2体のオオカミ型をダウンさせる。
「何やってる、数で殺せ。」
「がぉぉ!」
凍らされたオオカミ型も氷を砕き、6体が一気にリンを攻める。
「来いよ、俺に追いつけるなら!
リンの髪色が黒から赤色に変化し、目は黒目に青い瞳になる。
雰囲気が変わったことを理解したオオカミ型だったが、
「もう遅い。六の型、
リンは残像を見せながら、6体の攻撃を避け1番背後のオオカミ型を通り過ぎ、納刀する。
すると、通り過ぎたはずの6体の背中から出血が。
斬られたことすら気づかないスピードでリンは斬り裂いたのだ。
「ぐっ、女から殺せ!」
「リン、あなた無茶しすぎよ!照らせ、
さらにセラも魔術を発動し、銃剣が透明になると同時に、自分の分身が生まれる。
「がぁ!?」
「追いついてみなさい!」
セラは素早く斬りつけ、弾丸も放ち、さらにダメージを与えていく。
(セラの初めての技だ、それだけ俺の体を心配してくれてる。なら、最速で終わらせるしかない!)
セラの目で追うのがやっとなスピードにリンも合わせ、オオカミ型を斬りつける。
「がぁ!?」
「ちょこまかと、邪魔だ!」
セラ目掛け振り抜いた足蹴り。
その蹴りは、リンの刀で防がれた。
「うっ!?」
「悪いな、俺のパートナーは蹴らせられねえ。」
「輝け、
銃剣が眩い紫の光を発し、近くの4体のオオカミ型が地面に伏せさせられる。
「舐めるな、人間が!」
オオカミ型もやられてばかりではない、手足が動かしづらい中でも爪をセラに伸ばす。
「させるかよ!」
リンは咄嗟に動き、爪攻撃を弾く。
だが、
(っ!?まだ1分しか経ってないのに、体が重い。予想より体力が削られてる。)
リンは数メートル吹き飛び、片膝をつく。
「リン!」
「まだいける、セラ!最短でケリをつけるぞ!」
「っ、ああ、もう!後で説教よ!輝け、
魔術を展開した銃剣が、真っ白に輝き次オオカミ型が目を開けた時にはセラが空高く飛んでいた。
そして、
「鉄の雨よ、受け止めなさい!」
弾丸が雨の如く降り注ぎ、4体のオオカミ型は大ダメージにより戦闘不能になる。
残り2体となるが、
地面に着地したセラがふらつく。
(くっ、私もかなり消耗してる。けど、後2体!)
(1体ずつ倒せば俺らの勝ちだ。合わせてくれよ、セラ!)
2人は同時に走り出し、目の前の2体のオオカミ型の攻撃を目で捉える。
「がぁぉ!ー」
鋭き爪が突き出される。
その爪を、
ガギーンッ!っと甲高い音が響き、リンが2体の攻撃を捌く。
そして素早く地面に伏せ、
「眠ってなさい!」
セラの放つ弾丸がオオカミ型の両足に着弾し、バランスを崩す。
「こんな、ところで。」
「お前達は被害者なのかもしれない。悪い、それでも俺たちは進まなくちゃいけないんだ。」
リンは蹴りを放ち、2体をダウンさせる。
激しい攻防の末、なんとかリンとセラは勝利した。
「えほっ。」
リンは力を霧散させ、元に戻る。
「リン、まだ歩ける?」
「ああ、いけるぜ。」
2人の後方でも、
「これで終わりです!」
アンジェとオウロが5体のオオカミ型をダウンさせた。
ここまでで、18体のオオカミ型を倒した
特に、リンの消耗は激しいものだった。
「よしっ、みんな、先に進むぞ。」
「はい、行きましょう─。」
「いや、まだ僕らを通したくないみたいだよ。くそっ。」
リン達が城に向かおうとするが、
どこから現れたのか、オオカミ型が5体向かってくる。
「くそっ、まだ来るのか。各員、戦闘準備─。」
リンは刀を抜こうとするが、
(体が、重い、くそ。)
リンは片膝をつき、呼吸を荒げる。
「リン!」
セラはすぐ駆け寄り、リンの状態を見る。
その間も、リン達に向け5体のオオカミ型は容赦なく迫る。
「兄さん、セラさん、ここはうちらが!」
「2人は少しでも休息を!」
「ダメよ!2人もかなり消耗してる、そんな体で
「それでも、やらなくちゃいけない時があるんです。」
アンジェと、オウロが戦闘態勢に入る。
もちろん、状況はとても不利な状態。
そこへ、鈴の音が響いた。
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