第187話 B

 リンとBは正面からぶつかり合った。


「B、ってお前呼ばれてたな、コードネームかなんかか。」

「そんなところだ、リン・ウラノス!お前は俺たちの世界を作るのに必要なピースだ、悪いがここで捕まってもらうぜ!手足は無くても、生きた心臓さえあればいいって命令だから、覚悟しておけよ!」


 Bは目に留まらないスピードで迫り、刀を振り下ろす。


炎舞フレイムワルツ。」


 リンはイリオスで学んだ、刀と蹴りを交互に繰り出す攻撃でBの攻撃を弾き合う。

 辺りに生まれた風圧が、椅子や木炭を吹き飛ばす。


 Bもリンの攻撃に反応し、刀で弾いていく。


 リンが一歩踏み込めば、Bは体勢を整えるべく距離を取り、リンが離れれば、パワーを乗せた一撃を浴びせる。


 リンは捌く攻撃と、避ける攻撃をしっかりと見極めていた。


「独特な動きだな、お前の独学か?」

「さあな、てめえの体で感じてみろよ!」

「じゃあ、まずは俺のことから知ってもらうか。八の型、龍絶蘭リュウゼツランアオ。」


 リンは刀を突き刺し、Bは刀で捌くが、続けて放たれた衝撃波がBを数メートル遠ざける。


「ふんっ、その程度かよワノモトの戦士!もっと俺の血が滾る時間をくれよ!」

「戦いが楽しくてしょうがないみたいだな、B!」


 2人はさらに激しい戦闘を繰り広げ、辺りの壊れかけの家を破壊しながらお互い一歩も引かない。

 死体が多く転がる中で、2人の戦闘は激化する一方。


「いいね、この戦い!命のやり取りは楽しいよな、ウラノス!」

「全く楽しくねえよ、お前達はここにいる人達を殺した、罪のない人をたくさん。力の使い方を、お前達は間違えてる!」

「いいや、強い者が弱い者を導くのが使命だろ、てめえにも理解できるはずだ!!お前は、力を持つ人間だ、弱い奴らのために心を無駄に傷つけられた1人だろ!」

「お前の言うそれは強い弱いじゃない、未来を生きる意志を持つ者が真の強さを持ってる、その人達が世界を前に進めるんだ!」


 2人は弾き合い、距離を取る。


「そこに力のない弱い奴はいらない、国とはそういうもんだろ!弱い者を助け、強い者は放っておく、だから周りから襲われたら何もできない、アテネがいい例だろ!この間違ったルールを俺がぶち壊してやる!」

「お前だけの正義を押し付けるな!理解し合う時間が必要なんだ、今の俺たちには。だから、こんなことはもうやめろ!自分の手で、自分の未来まで壊すつもりか!」

「いいや、ここからまだ俺たちは進んでいくさ、お前というピースをもらってな!」


 リンは静かに呼吸し、体の周りを白い蒸気が覆う。


「ほう、何かするつもりか、させるかよ!」

「使うか迷った、俺も使えるか分からないし、お前ともっと話すことがあるから。でも、話が通じないならまずは静かになってもらうしかないよな!」


 リンは体に巡る血が、沸騰するように熱くなり体がさらに動き出そうとしてるのがわかる。


 そして、


「いくぜ、千変万華センペンバンカ!」


 リンは力を解放し、黒いリンが使っていた力、千変万華センペンバンカを発動した。



 すると、


 真っ黒髪のリンの髪が、真紅色に変わり

 大きな青い瞳は、左目が青い瞳、右目は黒い瞳に変わった。


 その姿を見たBは、


「まだ力を隠してやがったか、いいぜ俺ももっとギアを上げさせてもらうぞ!」


 Bはネックレスを砕き、緑色の薬を飲み体の傷を治し、さらに筋肉が増幅したように見える。


「B、お前は何でそこにいるのか、何が目的なのか、教えてもらうぞ!」

「やってみろよ、ウラノス!」


 2人は同時に踏み切り、0.2秒後には2人の刀が鍔迫り合っていた。


「六の型、白太刀シロノタチ鏡華水月キョツカスイゲツ。」


 リンは大きく振りかぶり、刀を振り下ろそうとする。

 Bは咄嗟にリンを斬るが、


「ちっ、偽物か─。」

「俺の残像と遊んでろ、B!」


 リンは背中から迫り、Bを切りつける。


「うぐっ、スピードが桁違いに上がったな、ウラノス。それが、お前の秘めてる力か。」

「そうみたいだ、まだ扱いきれないからお前も気をつけてくれよ。」


 リンはBがまばたきをした時には姿を消し、空高くから刀を振り下ろす。

 Bも身体能力を上げており、反応していた。


「いいぜ、もっと楽しめるな!ウラノス!」

「楽しんでるつもりはねえよ、俺は。お前を止めて、お前達の目的を詳しく聞かせてもらうぞ。九の型、天花吹舞テンカフブ。」


 リンはBの振り下ろしを、10cm動いて避け、逆手に構えた回転斬りで吹き飛ばす。


 追撃に入ろうとするリン、



 そこへ、


「っ!?危うく見逃すところだった、B以外にも俺を狙ってる奴がいたのか。」

「ん?お前、何を言って。」


 次の瞬間、


 2人をこれまでに経験したことのないプレッシャーが押し潰そうと襲う。


(何だこの気配、さっきまで全く何も感じなかったのに、急に現れた。Bも気がついていないみたいだった、だとしたらこいつ、Bの仲間じゃない?何れにしても、こいつをこのままにしておいたら周りの町が無事じゃ済まない。)


 突然リンを襲った体が危険とアラートを上げるほどのプレッシャー。


 そして、Bも認識していなかった者がそこにいた。


 果たして、リン達の戦いに割り込んできた者はいったい何者なのか。

 ワノモト、身喰らう旅団との関係は。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る