CUT「A LOOP」(1 to 6)

ナカメグミ

CUT「A LOOP」(1 to 6)

 日常生活の断片にユーモアを(視聴条件・おそらく将来も繰り返される日常のすべてを、ジョークとして笑いとばせる方)


①「続きまして」

 各種団体の会合で、長話をするスーツ姿の男性が交代するときの合図。ちなみにスーツの色と柄、肩書がちがうだけで、話の内容はあまり変わらない。サービス精神から、スーツおじさんが失言しやすいのも、このような挨拶の場(特に地方で)。

 取材する側としては、会場のだいたいの入りの人数を数え、客層を見るとともに、挨拶のあとのメインイベントを、どの角度から写真撮影すればよいかを最終的に確認できる貴重な時間でもある。


②「おめでとーー!」

 薄水色、ピンク色、臙脂(えんじ)色の膝丈のドレスの上に、白いショールを羽織った比較的若い女性たちが、正面席の白いドレスとタキシードの2人にかけ終わると始まる狩りの合図。結婚披露宴は、このためにあるといってもよい。

 普段ヒールを履き慣れていない方は、事前に歩く練習をした上で、会場まではタクシーなどで行った方がよい。公共交通機関で行く場合、ヒールに慣れない方は狩り場につく前に足首をひねる可能性があり。老婆心ながら、危うげな足元を心配しています。

 ちなみにおばさんは、幼稚園の先生が結婚して退職する時、白いウエディングドレスでステージに上がった際、周りの女児たちが「きれいー!」と感動するのが不思議でたまりませんでした。非常にもさっとしていて長く、動きにくそう。「普段のジャージ姿の先生の方がいいな」と強く思ったことが、記憶に残っています。「三つ子の魂百まで」ですね。幼稚園時代の男児は、一部をのぞいて十分に頭の回路がつながっていないケースも多く(子育て経験から)、ほぼ無反応。となりの男児は必死で鼻くそをほじっていました。


③「あれ、どこ?」

 50歳をともに過ぎた夫婦の間で頻繁に交わされ、その後、ケンカに発展しやすい日常の、非常に危険な言葉。問われた方はまず、「あれ」が何を指すのかを複数回にわたり確認しなければならない。「あれ」」は、最初は細いボールペンなどのささいなものから始まり、そのうちスマホなどの重要なものに発展していくのが特徴。発言者、問われた方ともに加齢で気が短くなっているため、お互いに怒りをぶつけやすく、かつ冤罪を生みやすい。そしてどちらも謝らない。


④「うちの孫は」

 高級デパートの紙袋を傍らに置いた60歳ー80歳と思われる女性数人が、コーヒーを飲みながら話す会話の大半。携帯電話の写真などを見せ合いながら話す。ここから「うちの息子は」「うちの娘は」いかに立派にやっているかが、脈絡なく続きやすい(職業、孫の数、海外勤務経験など)。

 ちなみに「嫁ちゃん」「孫ちゃん」は、昔のマスコミでよくきかれた「✕✕(苗字か名前)ちゃん」の応用編なのですかと、おばさんは時々、尋ねてみたくなります。


⑤「私、子ども好きなんだよね」

  未婚女性同士の間で、もしくは未婚女性と交際相手の男性と交わされることの多い会話。将来を見据えて、自分の「産む性」を受けいれ、意識しているほほえましい言葉。おばさんは「ホントかな?」と、その両腕に赤ちゃんを抱っこさせて実験したいという欲望に駆られます(意地悪ですね)。


⑥「買い忘れたんだよね」

 ウインズ(場外勝馬投票券発売所)で、メインレースの大型スクリーンの前で結構聞かれる、おばさんとしては信じられない会話。これはメインレース前の、ほぼ10レースまでのミスについて話す雑談で(みんなメインレース待ち)、「買い間違えたんだよね」「マークし忘れたんだよね」もあり。

 100円単位で馬券を買い、かつ馬柱(競走馬についての情報)は絶対に紙媒体で見たくて、550円の競馬新聞を買っているおばさんとしては(自分のお金です)、研究してきたであろう成果を、そのような形でみすみす棒に振ることが信じられず、思わず会話が聞こえた方を振り返りたくなります。

 防止対策として、①注意力散漫となっているため、買うレースを絞る、②老眼鏡や拡大鏡を使う、③購入締め切り時間ギリギリで買っているとは思うのですが、できるだけ慌てずに最終確認をする、の3点をオススメしたいです。

 11月2日の天皇賞(秋)に行かれる方は、ぜひこのようなミスをしませんようにお祈りしております。おばさんはUMACA(ウマカ・JRAの専用ICカード)の会員なので、パドック(競走馬の下見場所)の様子を見て、ギリギリでスマホで買います。


番外編「NOT LOOPED」


 1990代後半と2010年代前半に、おばさんは2つの背中を見ました。


 1つ目は、1組の漫才師の後ろ姿。地元に、全国的に有名なお笑い事務所の支社ができ、男性マネジャーの方を人もの(人についての読み物)として取材させていただきました。4パターンの写真の1枚として、ステージに立つ漫才師の後ろ姿のカットをつけたいと思いました。急な申し出にもかかわらず、1組の若手コンビが、嫌な顔ひとつせずにステージに立ち、カメラマンの撮影中、実際に漫才をしてくれました。 

 照明が後ろの頭上から当たるステージ上の背中。格好よかったです。お二人が現在、宣伝しているビールを愛飲しています。その節は、ありがとうございました。


 2つ目は2010年代前半、同じく地元出身の俳優の方が、これから始まる映画の撮影のため、公演の片隅で待機している後ろ姿に偶然通りかかりました。椅子に腰掛ける背中は緊張感、集中力で満ち、大変重たいものを背負う孤独なもの(決して悪い意味ではない)に見えました。ドラマ、バラエテイ、紅白の司会などのご活躍、地元のものとして、大変嬉しく思います。

 移り変わりの激しい、厳しい世界で、現在進行形で活躍されるお姿は「NOT LOOPED」だとおばさんは感銘を受けています。

(了)









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CUT「A LOOP」(1 to 6) ナカメグミ @megu1113

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