【21話】ハム or エッグ-3
「焼いて食べるか、煮て食べるか。それが問題だ。」
「王子、この頃はご機嫌いかがでいらっしゃいますか。」
「ありがとう。半熟だよ。半熟、半熟、超半熟。」
「王子、頂戴した品々、いつかお返ししなければと思っておりました。さあ、どうぞ。」
「何もやった憶えなどない。」
「玉子、よく憶えておいでのはず。優しいお言葉も添えて下さった。」
「ははあ!おまえは鶏卵か?」
「え?」
「お前は半熟か?」
「なぜそのようなことを?」
「お前が鶏卵で半熟なら温泉卵と親しく付き合わないほうが良い。」
「なぜです?温泉卵も半熟の鶏卵、つまりはゆで卵の仲間ではないのですか。」
「ああ、そうだ。そしてオムレツも出汁巻きもスクランブルエッグもゆで卵には勝てない。あの赤ん坊の頬のようにプルンとした白身と、舌の中でトロンととろける半熟の黄身。そこに塩を軽くふりかけて頂く幸せは他に勝るものなど無い。」
「では、どうして。」
「愛知へ行け!ああ、食べたい。名古屋コーチンの温泉卵が食べたい。食べたいんだ!」
…なんぞ、これ。
「え?あたしが書いた脚本だけど。シェイクスピア「ハムレット」のオマージュで「オムレット」。面白いでしょ?」
どこの笑いのツボを狙ってるんだこれは!それと!ひとつだけこれだけはツッコませてくれ!王子の三回目が玉子になってるけど、文字遊びみたいなボケはお芝居じゃ伝わらない!
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