第15話 まさかの出会い
あれから更に2週間程が経ち、渡辺とはもはや目も合わなくなった。最近は紫にご執心のようだ。上手くいってるのかは知らないが。柚月や美音とはちょこちょこ一緒にいる時間も増え、ゴールデンウィークにどこかで誘おうかと思っている。部活も順調だ。来月のテスト後に初の公式戦を控えている。 そして迎えたゴールデンウィーク初日。
「デイブ! 待たせたな」
「朔斗さん、おはようデス!」
今日は朔斗の数少ない男友達の将来の奥さんに向けての買い物に付き合う日だ。デイブは色々なところでお世話になっているセキュリティ会社 クロスの社長だ。 イギリスとのハーフで現在20歳。10歳から日本におり、日本語もほとんどネイティブ並みだが、語尾が少し可愛かったりする。金髪碧眼の刈り上げショート。シャツ1枚で絵になるいかつい男だ。
こいつとの出会いはなかなか複雑である。簡単に言えばこのセキュリティ会社で働いてるやつは は元々全員半グレである。朔斗が中学時代よく利用していた会員制のバーで1度揉めたことがありその時5人ほど返り討ちにした。その後報復のために朔斗が連れていたキャバ嬢上がりの女を攫おうとしたのだ。結果、朔斗は嫌いな親に頼みその筋の人間を頼り全員を制圧した。そしてそのやり方に唯一反対していたのが副リーダーのデイブだ。手駒が欲しかった朔斗はデイブをリーダーにすげ替え、全員を雇ってセキュリティ会社を起てた。 当時のリーダーはまぁ... 察しの通りだ。
その時からデイブを気に入っていた朔斗は仕事以外では友達のように仲良くしている。
「しかしあのろくでなしだったデイブがついに彼女さんにプロボーズとはな。変わるもんだな人は。」
「ハッハッハ 朔斗さんのおかげネ。でもオレはそんなに酷いことばかりしてきたつもりは無いネッ」
「まぁそれはそうだな。俺はお前のそんな所を気に入ったんだ。さて、今日は指輪を買いに行くってことでいいのか?」
「そうでス!! いいお店を紹介して欲しいでス!!」
「よーし、まかせろ。 こういう時に使ってこその一条家だからな。早速向かおうか。」
ということで朔斗自身のアクセサリーや、プレゼント、ひいては朔斗の親までも買ってるという店に連れていく。 彼女さんの好みも聞きながら2人で色々と選んでいく。そして最終3個まで決まったので店員さんと話し合いながら決めていく。
「俺としてはこのシンプルな指輪がいいと思うが、デイブはもう少し派手な作りのこっちの方がいいのか?」
「一生付けるなら飽きないかっこいいデザインの方がいいと思うネ。」
「ずっとつけるなら尚更シンプルな方がいいと思うがな? 店員さんはどう思います?」
「正直な話、お店としては値段的にデイブさんのデザインを選んでいただいた方が嬉しいですが... 実際には朔斗様のお選びいただいたデザインの方が長くつけれると思いますよ?」
「2人ともそっちがいいネ? じゃあそっちにするネ!!その代わり石を2つ並びで入れるようにしてもらえるかナ?」
「もちろん可能ですよ! こちらからお選びください。」
(意外といいセンスしてるな... もう今の俺の意識はほとんど朔斗と同化してる。是非成功して欲しいものだな。)
「決まったネ!! 朔斗さん!ありがとうだヨ!!」
「なかなかいいセンスをしてるな。きっと彼女さんも喜ぶだろう。成功したらぜひ俺からもお祝いさせてくれ」
「ありがとウ!! 是非お願いするネ!!」
「では、こちらでお支払いは完了でございます。また後ほどお受け取りに来て頂く形になりますので、よろしくお願いいたします」
「わかりましタ! よろしくお願いしまス!!」
昼過ぎからの待ち合わせだったのでなんだかんだと話し合いながら決めて店を出る頃には少し早めの夕飯の時間になっていた。この辺は場所で言うと六本木ら辺なのでお店は沢山ある。早めの夕ご飯とする事に。
「デイブ 少し早いが飯でも行こうか? 今日は前祝いだ。俺が奢ろう。好きな物を食べに行こうぜ」
「ほんとですカ!? オレ前に朔斗さんと一緒に行った焼き鳥屋が大好きネ!! あそこに行きたいヨ!」
「あそこか。そんなに気に入ってたのか? 電話してみるからちょっと待ってろ。」
名前をいえば割と通るほどにはこの辺で遊んでいたのですぐに予約をとって貰えた。さほど遠くもないので歩いていくことに。普段の学校生活とはかけ離れたこの大人な感じも昔の朔斗のようでやはり楽しいものだ。
「よし、予約取れたぞ。近いから歩いていこうか。」
「やったネ!! 早くいこう!!」
そして裏通りから歩いて表通りに向かっていくと、何やら揉めている男女の姿が。
(まだ夕方だぞ? もう酔ってんのか?)
「いつもこの辺でご飯を食べたがるけど、毎回出すのはどっちだと思ってるの!? いい加減に働いて!!身の丈にあった生活が出来ればそれでいいのに!!」
「硬いこと言うなよ〜 先生として頑張ってるんでしょー? もうすぐ仕事決まるからさぁ! 前祝いだよ〜」
「何度そんなことを聞いたと思ってるの?! いい加減に信じられない!! もういい!! さよなら!!」
「はっ、はぁ〜?! なんでそうなるんだよ!!今までそれで上手くやってきただろ?!」
「いいから離して!! もういい加減にして欲しいのよ!! 」
(ちっ... いずれどこかでとは思っていたがよりによってこんな場面で出会うかよ...)
目の前で痴話喧嘩を繰り広げているのはクラスの担任の藤代美嘉であった。上手くいけばそのまま放っておこうとも思ったが、男に腕を捕まれて離して貰えそうにもない。上手くやり過ごして連れていくか。
(デイブ あれは俺のクラスの先生だ。男から引き剥がすためにあえて高校生っぽく振る舞うから後から出てきて、横で威圧しろ。)
(オーケー 任せテ)
「せんせー! 奇遇ですねこんなとこで? 大丈夫ですか?」
「え... い、一条... なぜこんなところに...?」
「なんかたまたま通り掛かったんですけどまさか先生がいるとは思わなくて! 危ない目にあってそうなのでつい声掛けちゃいました!」
「なんだァ?クソガキがァ。 見たらわかるだろ?大人の話し合い中だよ!! 見せもんじゃねぇんだからさっさと消えろ!!」
早速すごんでくるアホなチャラ男が居るので俺が出て話しかける間に隠れてもらっていたデイブに出てきてもらう。
「オー 日本人はこうやって女を口説くネ朔斗?下手くそネー!! やり方教えてあげようかおチビさン?」
わざわざ胸元を開けて腕をまくってきたか。いい演出だ。
「な、なんだよこいつ... てめぇの知り合いか!? さっさと消えろよ!!」
「ねぇーデイブさん?この人僕の先生を脅してるみたいなんだよっ。助けて?」
「ちょ、一条!」
「任せるネ!!」
デイブが前に出て男の腕を取ったうちに美嘉先生を引き寄せる。
(大人しくしておけ。いちいち演技してまで穏便に助けようとしてるんだ。黙ってろ。)
「!!...」
「ホラ?オレにも同じようにやってみるネ?」
「チッ!わ、わかったよ!いいから離せ!!」
「じゃ、さっさと消えるネ」
「... チッ!! クソが!!」
チャラ男が走って消えていったので先生を離す。
「全く... 何してるんだあんたは?」
「い、いやこれは... すまない... 助かった」
「まぁ男女関係に口を出す気は無いが、もう少しまともなのを選べるだろうがその顔とスタイルなら... まぁとにかくよかったな。 大丈夫か?」
「んなっ! わ、私はそんなに... とゆうか!!子供にそんな事を言われる筋合いは無いぞ!!」
「うるさいネ。朔斗さんをその辺の高校生と一緒にするんじゃないネ。 この人が手を出す前に穏便に済ませたんだから感謝して欲しいくらいネ」
「え? あ、あ、うっ... あ、ありがとう...。」
(はぁ... めんどくせぇ。が、これはある意味チャンスだ。こいつを落とせば学校で余計に好き放題できる。運が良かったと捉えればいい。見た目もかなり綺麗だし、そもそもこいつはサブヒロインでも無かったんだ。ここが現実だからこその楽しみといこうか。)
「デイブ、先生も飯連れて行っていいか?」
「ンー、あなた優しすぎネ。ほっとけばいい。まぁオレはいいヨ。任せるネ。」
「よし、とりあえずここは外だ。美嘉さんと呼ぶぞ。今から俺らは飯に行くところだったんだ。一緒に行くぞ。」
「な、なぜ私が生徒と一緒にご飯に行かなければならないのだ!! そこまで気にしてもらわなくて結構だ!」
「休みの日にたまたま知ってる顔に会った。その人が沈んだ顔をしている。 見てられんだろう?いいから行くぞ。美味しいものを食えば少しは気が紛れる。話は聞くからさっさと行くぞ。」
強引に話を切りあげ二人で歩き出すとなんだかんだと着いてきた。
「ま、まず助けてくれたことには感謝するが、横にいるその男の人はなんだ!! そしてその口の聞き方はなんなのだ!?」
「こいつはデイブ。俺の友達だ。そしてここは外だぞ?しかも休日。別に先生と生徒にこだわることもないだろう。俺はこれが素だ。 くだらん事を気にするな」
「なっ!な、なんなんだこいつは...(ブツブツ)」
少々強引だが納得してくれたようだ。とゆう事でなんだかんだとお店の前に着いた。
「ここだ。ここはデイブと俺のお気に入りでな。美味いぞ?」
(楽しくなりそうだな...)
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ご覧頂きありがとうございます。
この辺からもしかしたら好みが別れるかもなぁと思いつつ書いていきます...
皆さん...!!俺はヒロイン以外にも気に入った女を落としたいんです...!!(三井風)
しっかりみんな綺麗な形に落としていくように頑張るのでちょっと変わった作品だなぁと思いつつ楽しんでください(ᐡ - ·̫ -ᐡ)
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