第五章 津波の被害
水が簡単に手に入る平和も束の間。
ある時、津波が押し寄せてきた。
2つの地域が津波の被害にあったらしい。
地域一帯がまっさらになってしまい、家が無くなってしまう人も
いた。優里もその仲間だった。
もちろん自動海水蒸留装置も壊れてしまった。
今優里が持っているのは常備している水の容器。水は結構入っている。
そしてポケットにしまったままだった蒸留器具の設計図
と流された自動海水蒸留装置の設計図の切れ端。
一応アーリの方は津波にあっていない為、そこから自動海水蒸留装置を
持ってくることもできる。だがそれではアーリの方の人が困ってしまって
本末転倒だ。
そこで優里は家を建て直し、流されて来た蒸留器具を使ってしのごうとした。
幸いにも蒸留器具は壊れていなかった為、午前は蒸留装置で水を取り、
午後はその水をみんなに渡して、自動海水蒸留装置の設計図の切れ端から
自動海水蒸留装置を作る。その繰り返しだ。
そして早一ヶ月。ついに自動海水蒸留装置を作り上げた。
もちろん設計図も作り直してだ。
だが津波で素材が流されてしまった為あまり量産はできない。
それでも自分の壁を削り取り、数少ない資源を使ってもう一つ
自動海水蒸留装置を作り、もう一つの被害にあった地域に寄付した。
今までその地域は蒸留装置を全員が使用して暮らしていたが、
いまでは蒸留装置が少なくなってしまい、極限状態で
暮らしていたと言われている。
「たった一回の津波でここまで平和が崩壊するなんて...」
優里は途中何度も挫折しそうになった。
だがここで頑張らなきゃあの旅人はどうなるのか。
消えてしまうのか。存在、記憶ごと抹消されてしまうのか。
平和な未来を失ってしまうのか。
でも旅人は、「水も当たり前の物になって、平和に暮らしてるよ。」
と言っていた。その可能性にかけて、頑張った。
そしてまた一ヶ月後、アーリがこっちの様子を見に来た。
「おー。なんか見違えるほど変わったね。」
「実は津波が来た後二ヶ月くらいかけてここまできたんだ。」
「え!? そんなに頑張ってたの!? 言ってくれれば手伝ったのに。」
「いや、こっちの都合で君に迷惑をかけるわけにはいかないから。」
「いや優里くん真面目すぎ! こっちは優里君が作ってくれた
自動自動海水蒸留装置があって正直退屈してたから言ってくれれば
喜んで受けてたのに。まあ困ったときは次から呼んでね!」
「ハハ、それは頼もしいな。じゃあ手伝ってほしいことがあるんだけど...」
そして優里とアーリは海から離れたところに倉庫を作った。
腐らないように加工した食品、自動海水蒸留装置の設計図、
予備の蒸留装置等々を倉庫に入れた。それに「防災倉庫」と名付けた。
また津波がきても、対応できるように。
「この先また困難が立ちはだかっても僕は乗り越えて見せる!」
優里はそう心に誓い、液体水素酸化物供給装置の制作に
取り掛かるのだった。
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