第四章 優里と未来
優里に下りる希望の光。それは旅人だ。
旅人は言った。
「久しぶり。お父さん。」
優里は驚いた。
「お父さん? 僕は子供を育てた覚えはないけど・・・。」
「まあそうだよね。僕は今から5年後の世界から来たもん。」
「それは本当か?」
「本当だよ!お父さんがわざわざ僕の為にタイムマシンを作ってくれたんだから。」
優里の脳は全く追いつけない。
「え?え?君が僕の息子で僕がタイムマシンを作って?」
「まあ今は分からなくて大丈夫だよ。ただ僕はお父さんにあることを教えに来たんだ。」
「あることって?」
「未来の優里から預かった大事な言葉だよ。」
旅人は言った。
「お金は誰かを幸せにするためにある。自分の為だけに使うものではない。水も同じだ。」
優里には思い当たったところがあった。
弟が、「なにかすごいこといって~」と言って、優里は言った。
「お金は誰かを幸せにするためにある。自分の為だけに使うものではない。水も同じだ。なんちゃって。」
あの頃と全く同じだ。
信じがたい話だが、旅人が未来から来たのは本当かもしれない。
「そういうことか。未来は今どうなっているんだ?」
「水も当たり前の物になって、平和に暮らしてるよ。」
「そうか。それはよかった。」
そういうと、優里の息子の体が消えかかっていた。
「大丈夫か!?」
「あ、そろそろ時間だ。それじゃぁバイバイ。」
「ちょっと待て、まだ聞きたいことが」
優里がそういう間に優里の息子は消えていた。
「希望ある未来の為に頑張らないと。」
優里は自動海水蒸留装置の注文をこなした。
アーリのところに顔を出せないという問題もあったが、それでもこなし続けた。
いつのまにか15台あった注文も終わっていた。
普通は15週間かかる所を6週間だけで終わらせてしまったのだ。
さすがにアーリのところに顔を出さないと心配するだろう。
そう思ってアーリの所へ行った。
そして優里はびっくりした。
なんとアーリも水がたくさん確保できていたのだ。
「どうやってこんなに水を確保したんだ?」
アーリは言った。
「そりゃもちろん頑張って集めただけだよ!」
「えっ」
優里は海水蒸留装置のことを話した。
「ゑぇ!?そんなもの作ってたの!?それを知ってればもう少し楽だったのに... まぁいっか!」
「アーリの方にも作ってあげようか?」
「え!?いいの!?やったー!」
そしてアーリの方にも海水蒸留装置を設置した。
これで国は救われた...のだが
それでもある問題が発生した。
それは「独り占め」だ。
引っ越してきた者が水を独占してしまい、人々は困っている。
もちろん優里は何度も注意した。それでも微塵も反省していないのだ。
そしてある日...。優里はついに怒った。
「なんで何度言っても聞かないんだよ!お前のせいで人々がどうなってるかわかるか!?
お前なんか別の場所に引っ越しちまえ!」
地域は静まり返った。
優里もこれでもう懲りただろう...。と思ったのだが、
残念だがそいつはまだ独占していた。
優里はついに我慢の限界を超え、ある作戦を立てることにした。
通常、水をためる場所には清水が入っているのだが、そこの中身を
全て海水にしようという計画だ。
当然時間もかかるし、時間がかかるからバレる。
そこで水をためる場所をもう一つ作って、そのダミーの方に海水を入れようという計画。
本体は別の位置に移動し、人々には注意喚起をし、ダミーの方を置いた。
そして、実行の日。その独占してくる人は、朝起きてすぐダミーの所に行った。
だが、そううまくはいかなかった。
「あれ、なんかいつもとにおいが違うぞ?わかった。海水が入っているんだ。」
計画は台無しでこのままではまずい...と思ったその時、
一人の人がダミーの水をためるところに独占する者を押したのだ。
「うわ!しょっぱ!てめぇ何すんだよ!!」
その独占する者は実力行使に出ようとした。だが、他の人に取り押さえられ、事は終わった。
水を独占する人もいなくなり、平和になった…?
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