第三章 優里と過労
優里は毎日水を取りに行き、たくさんの人に水を与えていたが、
それでもまだ足りなかった。
優里は労働による過労で病気の初期症状が発症しているそうだ。
だが、優里はそんなことに構わずに毎日水を取りに行った、がしかし、
優里も病気には適わなく、1日中寝込むことになってしまった。
地域では他の人と協力する者、ためていた水を使うものと多数の人がいた。
「どうにかしないと・・・このままじゃあの頃みたいに争いが起きてしまう・・・」
優里が6歳の頃、水による争いの所為で弟が搬送されることになった。
「しっかりしてよ!風海!」
弟は助かったものの、首の骨格が曲がってしまい、毎日リハビリに
行くことでお金も無くなってしまい、貧乏な生活を送っていた。
「争いで水が得られるかもしれないけど、それでどれだけの人が傷つくか・・・」
そして優里に一つの発想が生まれた。
蒸留器具を自分で作ればいいんじゃないかと。
政府が機能しなくなった今、この方法は革命的だ。
家の中で毎日蒸留器具の作成をしていたのだが、
残念なことにそううまくはいかなかった。
2日たって病気もなくなり元気になったが、まだ争いのことがきがかりだった。
これから毎日水を取りに行くことになるが、それでいいのか?
人々は恵みを貰って、自分だけ傷ついて行く。
やがて自分は早死にし、また人々が苦しくなるのではないのか?
そう思って胸が苦しくなっていた。
帰ってもそのことばかり考えていて、そのために深夜まで蒸留器具を
作っていく毎日。そして、遂にその時が来た・・・。
蒸留器具を作り始めて16日。ついに蒸留器具が完成した。
蒸留器具を作るためにかかった時間は80時間。
ぶっつづけでやっていたら過労死しているレベルだ。
既に優里の身体はボロボロ。
だが、蒸留器具が2つあることにより、とれる水も2倍になった。
更に作り方も書いていたため、どんどん作っていくことで効率化できる。
さらに蒸留器具を3つ作り、うち2つはアーリのところに寄付した。
優里が水を取りに行くのが2日に1日で済むため、大分効率化できたといえる。
ただ、その効率化も終わることになる。
他の地域から水が貰えると言う噂で引っ越してくる人が大量に出てきたのだ。
気が楽になっていた優里も顔をしかめた。
蒸留器具を作るのにも時間がかかるから効率化なんて無理だ...と思った。
だが、優里は極限状態であることを考え付いたのだ。
「水を自動で作ってくれる装置を作りたい...。」
今思えばとてつもない発想だ。この世界で自動という言葉は一般的ではなかった。
ただ必死に勉強した優里は知っていた言葉だった。
そして、材料を集め、組み立ての設計図を書き、本格的に取り組んだ。
普通だったらこのまま商売できてしまうレベルだ。
そして35日かけ、ようやくできたのが自動海水蒸留装置。
24時間働いているため、余分に余ってしまうレベルだ。
なので水を一時的にためる場所を作ったが、意味がなかった。
すぐに水があふれ出てしまい、大問題となった。
そこで、大きいためる場所を作り、さらに配らなくても
供給できるようにとある装置を作った。それは液体水素酸化物供給装置。
通称水道。これを作ることでもはや優里は何もしなくてもよい
一般人になってしまうほどだった。
だが、当然のことかもしれないのだが、自動海水蒸留装置の注文が殺到。
作るだけで1週間はかかるものを、そんなに注文されては、優里の身も持たない。
アーリのことも考えて、顔を出そうと思っていたところだったのに。
これじゃいつも以上に働かないといけない。
当然優里の身も持たない。
そして優里は引きこもってしまい、殺到していた注文ももうこなせなくなっていた。
今届いている注文は約15台。これだけ少ないだけマシだが
15週間もかかることになる。優里も心が折れてしまい、
引きこもっているということだ。
「どうして俺みたいなやつにばっかり働かされるんだ・・・」
いっそのことどこか遠くに消えてしまいたい。
そう思っていた優里に希望の光が舞い降りる。
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