第五話 次の日の期待2
「い…今の、なしで!!」
僕は思わず声に出してしまった。
――マジか…
恥ずかしさで顔が熱くなる。もちろん、心の中で考えていたことだと思っていたのに、声に出てしまったのもあるけれど…。
――やっぱり聞かれたのか…。
正直、さっき言ったことは本当の気持ちだ。
でも絶対、キモいやつだと思われるに決まってる――。
一人で自問自答していると、突然声が聞こえた。
「ねぇ、岡部くん」
「はっ、はい!」
「…さっき言ってたのって、なんで?」
星影さんが少し恥ずかしそうに聞いてきた。
「えっと…」
動揺で言葉がもつれそうになりながら、なんとか答える。
「話してみたいと思ったから?」
「私なんかと…?」
「一応同じクラスなんだし、普通じゃない?」
僕の返事に、星影さんは少し俯きながら言った。
「大体、あんまり学校来ないから、友達とかいないし」
「…そっか…」
その言葉に、僕は少し胸が締めつけられるような気持ちになった。
「じゃぁ…」
そう言いかけた瞬間、チャイムが鳴った。
「そろそろ行かないと」
「そうだね」
二人は少し照れくさそうに、でも並んで図書室をあとにした。
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