第四話 ある日の昼休み
学校が始まって数日がたった。
午前中の授業をすべて受け終え、昼休みにお昼ご飯をどこで食べようか考えていると――
「おーい、桜一郎! 一緒に昼ご飯食べようぜ~!!」
と友人が声をかけてきた。
「いいよ~!」
「じゃあ、隣失礼します」
「はいよ~」
そう言って友人は僕の隣に腰を下ろした。
そのとき、廊下のほうから笑い声が聞こえてきた。
「あいつ、今日も来てんのかよ」
「今日もサボるかと思ったのに」
“誰”という名前は出てこなかったが、星影さんのことだろうとすぐにわかった。
幸い、僕たちは廊下側で、彼女は窓側の席だったため、きっと聞こえてはいないだろう。
「アイツら、ひどいこと言うよな」
「ほんとにな。とはいえ、俺も星影さんのことを詳しく知ってるわけじゃないけど……」
「噂程度だけど、あんまり学校に来られないのは病気が原因らしいよ」
「だったら、なおさら仕方ないだろ」
「だよな~」
そんな会話をしていると、突然――
「ごめ~ん、岡部くんいる?」
と、隣のクラスの女子が教室に入ってきた。
生徒会の宮原さんだ。
「ここだけど、どうした?」
僕は少し不思議そうに聞いた。
「部活動説明会の件で、ちょっと確認したいことがあって」
「あ~、そういうことね。どこ?」
「えっと……ここなんだけど」
「あ~、そこはこうする予定だよ」
「OK!! ありがとう~!!」
「じゃあ、また放課後!」
「はーい」
そう言って彼女は教室を出ていった。
「お前、忙しいね~!」
「これでも一応、生徒会だからね」
「まぁ、頑張れ!」
そう言って、僕たちは昼食を再開した。
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