ゲーム終了
「はい、ではお疲れ様でした」
貴方が見ていたディスプレイは消え、目の前のスピーカーから声が聞こえる。
「これで動画は終了です。では、あなたがこの十数人のゲームのプレイ映像を見てどの結末が一番いいと思ったか、そしてその結末を選んだ理由を、目の前にある紙に、その隣にある鉛筆を使って書いてください。」
貴方は先ほど見た映像を、思い出す。
どの結末が良かっただろうか。
一番救いがあったのは、あのEndだった。
一番共感したのは、あのEndだった。
一番嫌だったのは、あのEndだった。
何を基準にして、何を選ぶのかは、全て貴方が選択することである。
貴方が何を書くか考えているうちにスピーカーが話し出す。
「そういえば独り言なのですが、人というのは
貴方は鉛筆を持つ手を動かす。
「そしてだいたい二択か三択、果てには一択の選択肢で悩んでいる。世の中にはもっと多くの選択肢があるのも知らずに。まるで目の前にある
貴方は鉛筆の後ろの消しゴムで間違えたところを消した。
「ところで、あのゲーム。本当にゲームだと思いますか?」
貴方は書き終わり、その旨をスピーカーに向かって伝える。
「シカトですか、まあいいですよ。じゃあその紙はそこに置いておいてください。あなたはもう用済みなので、後ろのドアから出て行っていいですよ」
貴方が後ろを振り向くと、いつの間にかドアが出現していた。
貴方はこんなよくわからない場所に長くいたくなかったので、いそいそとドアへと向かい、ドアを開けた。
ドアの先には光が広がっており、それを見ると同時に貴方は意識を失った。
意識が落ちる寸前、あの機械音声が聞こえた。
「良い夢を」
---------------------------------------------------------------
目が覚める。
辺りを見渡す。
いつもと変わらない自分の寝室の光景だ。
ただ一つ、布団のちょうど腹の上辺りにナイフが置かれていることを除いては。
恐る恐るナイフを見つめる。
ナイフは鈍く銀色に光っていた。
その光は己を飲み込みそうな狂気的な美しさを持っていた。
ナイフを手に取りますか?
Yes
No
End?全てを知る者
「全てを知っているからこそ味わう絶望というのもある」
by全てを知る者
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます