暁ノ約束 ―A Promise Beyond Time―

2011年3月11日、仙台の震災で瓦礫に埋もれた大学生、斉藤悠真は、謎の声に導かれ、若き日の伊達政宗が治める戦国時代へとタイムスリップする。悠真は「佐藤真之介」と偽名を名乗り、未来の知識を駆使して政宗の側近となるが、歴史を変えることの重圧に苦しむ。
​館の侍女・楓と心を通わせ、互いに惹かれ合うが、悠真の存在は時代の流れを歪ませ、彼の身体も限界を迎える。最後の戦場で楓と「必ず再会する」と約束を交わし、悠真は再び現代へと送還される。
​14年後、震災から奇跡的に生還した悠真は、家族を失いながらも、楓との約束を胸に生きる。彼は歴史調査員として、戦国の記憶が残る丘で楓の遺した木簡を発見し、再会の誓いが真実であったことを確信する。数年後、歴史講師となった悠真の前に、楓の末裔を名乗る女性が現れ、時を越えた約束は静かに未来へと繋がれていく。