第2話 住むべき場所とお金を稼ぐ方法を整えよう!

 パンを何個か食べて空腹が満たされた後、次に何をするべきか考えているとプリムラが助言をくれた。


『アプローズ様、今は衣食住の内、食しか整っていません。ですので、次は住を整えることが最優先事項です。先に言いますが路地裏に居るから大丈夫ではありませんよ。なので、【願い事】を使用して別空間を作り出すことを勧めます』


 プリムラの助言の中に「別空間」というよく分からない言葉があったので、聞いてみることにした。


「別空間……?プリムラ!別空間ってどんなものなの?」


『申し訳ございません。別空間の説明をしていませんでした。別空間を簡単に説明すると、今アプローズ様が居る世界に穴を開けてそこに空間を作り出したものです。


 私の作り出せる別空間にはアプローズ様が許可した人物しか入れないので、ご安心ください。また、時間は同じように進みます。天候を変更することもできます』


 プリムラがわかりやすいように説明してくれたが、とにかくすごいことしか分からなかった。しかし、ものすごく使えそうだったので早速作ることにした。


「なんだかよく分からないけど、なんかものすごく使えそう!プリムラ!【別空間を作って】!」


 私がそう【願い事】を言うとプリムラが『承知しました。それでは貴女様の夢、叶えましょう』と言った。


「どうなものができるんだろうなぁ……別空間……なんかワクワクするなぁ!」


 楽しみに待っていると一向に完成する気配が見えず、小腹が空いた感覚があったのでパンを一つ頬張った。


 ♢♦♢♦♢♦〜〜数十分後〜〜


『お待たせいたしました。別空間を作成しました。空間の大きさは五十立方メートルとなっています。アプローズ様今すぐ別空間へと行きますか?』


「もちろん!今すぐ行く!」


『承知しました。それでは試しに【開け、別空間の扉】と唱えてください』


「【開け、別空間の扉】!別空間!ワクワクするな〜!えっ!?なに!?どうゆうこと!?キャーー!」


 プリムラに言われた言葉を唱えた後、一瞬の浮遊感に襲われ、その後高所から落下する感覚に襲われた。私は恐怖のあまり目をつぶっているとフカフカの芝生の上に着地した。


 プリムラに『目を開けても大丈夫ですよ』と言われたので、目を開けると、そこには緑一色の芝生が広がっていていた。


「ここが別空間かぁ〜!なんか不思議な感じがするね〜!見た感じは芝生しかないんだね!確かにここなら誰もこれないし、安心だね!プリムラ!これで【住】は大丈夫だよね?」


『アプローズ様……まだ全然大丈夫ではありませんよ。今はまだ安全な場所ができただけです。ですので次は、家などの建築物が必要です。そこでいい提案がございます。それは【農業】をするための道具を【願い事】を使って出すことです』


 プリムラの機械的だった声が少し人間のようになり、優しく諭すように言った。


「【農業】!?これから私、農家になっていくの!?農業……でも、どうして【農業】なんだろう……?教えてプリムラ!」


 プリムラからの助言に驚きつつ、【農業】を勧める理由をどれだけ考えても埒が明かないので、諦めて聞いてみることにした。


『それは【願い事】を使うことによって今のアプローズ様に必要なことがほぼ全て叶うからです。今のアプローズ様に必要なものとは【住むべき家】と【お金稼ぎをする手段】と【服】です』


「【住むべき家】と【お金稼ぎをする手段】と【服】……確かにどっちも今の私に必要な物だ……!!なら、もう使っちゃおうかな!」


 プリムラの説明に納得すると早速【願い事】を使うことにした。


「プリムラ!この別空間に【農業】をするための【道具を出して】!」


 と【願い事】を言うといつものようにプリムラが『承知しました。それでは貴女様の夢、叶えましょう』と言うと、目の前に鍬とバケツ、農家の服、様々な植物の種が目の前に現れた。


「これが【農業】に必要な道具……?でも、まだ【住むべき家】はないけど……」


『申し訳ありません。【住むべき家】などはお待ちください。ですので、待っている間この芝生を植物が育ちやすいように耕しましょう』


 とプリムラに言われたので、耕そうとしてみると、思った以上に鍬が重く、すぐに疲れてしまった。


「プリムラ……!これ、想像していた以上に体力使って、ものすごく疲れるよ……!!」


『アプローズ様……それはもう慣れと体力作りをするしかありません。ですので、ゆっくり時間を掛けてもいいので、一歩づつ頑張りましょう!』


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夢叶え少女は幸せになりたい!〜私に必要なものは花冠でした〜 紅団扇 @Yomitarou_88

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