幼女が往く
無意味の意味
幼女が往く
うちの母方の実家の昔話なんですけど。
家の中にいると毬を突きながら聴いたことのない童謡みたいな歌を唄いながら歩く声がする。
それを耳にした者が道を見ると真っ赤な振袖を着たおかっぱの4~5歳くらいの幼女が歩いてるんですって。
親はいないかと思って見回しても誰もいない。
視線を戻すと幼女も消えてる。
気のせいかなと思って家の方に戻るわけです。
でも、その幼女を視た者の家には不幸が降り掛かるって。
一々例を挙げられないほど多様な災厄があったとか。
当然「それ」を視てはならないって言い聞かされるんですが、頻度は減ってもつい視ちゃう者が出て困ったと。
結局庭の垣根を普通より高くするって対策して、いつしかその幼女も現れなくなったそうで。
いつの間にか「昔、早逝した庄屋の娘さんが寂しくて出て来たんだ」って話が出来たそうですけど、ね。
だけど今でも家の外で妙な音がしても視てはならないって教えられるんだそうです。
幼女が往く 無意味の意味 @kokurikokuri
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