第2話 微かに。

あれから何日か経ったあと。

ただの気まぐれでいつもより早めに家を出る。

外に出ると手が悴む程の寒さで

高校が家の近くでよかったな、なんて思いながら白い息を吐く。

地面がこおっていて上手く足が動かないが何とか、教室に着いた。

「あ、おはよ。早いじゃん」

何日か前、私が好きだと自覚した相手、篠原に話しかけられる。

「おはよう、今日寒かったからね、」

話しかけられた嬉しさをかみ締めて挨拶をする。

「そういや、今日1時間目って数学だよな?」

「確かそこはね…」

そんな何でもない会話だけでも今日1日、割と上機嫌で過ごせた気がする。。

そんなことを帰宅して自室の中で考える。

だけどいつもチラつくのはあの子の淡いピンク。

ネイルが映える爪じゃなくてもいい。

せめて人前に堂々と晒せる爪にしたい。

好きな人に話しかけれるように。

爪をストレスのはけ口にしないようにしよう。

これはほんの小さな宣言だ。


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まだ、伸びきれない めんたらこ @cda7

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