まだ、伸びきれない

めんたらこ

第1話あなたの癖は?

あなたの癖はなんだろうか。

前髪を触る?語尾に「ね」がつくなどだろうか。

私は┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

授業中、教師の声と無頓着なシャーペンの音が聞こえてくる。

板書される黒板を見ながら指先をつつく。

ピリッと唐突に不快な刺激が指先にとまる。

爪が剥がれ血がでていた。

タイミング悪く前の席からプリントが渡される。

利き手じゃない手で受け取る。

そして利き手じゃない方の手で後ろの席に渡す。

不自然だっただろう。

そんなことはいいのだ。

重要なのは前の席に座る篠原雪翔。

何故かこの人だけは1人のクラスメイトとして変わりないのに意識してしまう。

好きな人、なのだろうか。

そんなことを考えていたら授業なんかすぐに終わってしまった。

「ねえ美優。篠原の隣の席の柚木さんボディタッチエグくない?篠原のこと狙ってんのかな、」

「どうだろ、柚木さん可愛いもんね。」

こうやってあたかも興味が無いように振舞っているが、視線は雑談をして笑いあってる柚木さんと篠原さんに向いている。

楽しそうな二人をみて何故か無気力になってしまった。

柚木さんの爪に視線を僅かに向ける。

爪には淡いピンクのマニキュアが塗られていた。




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