修行編【4】
攻守を入れ替え何度も立ち合いを繰り返す。
双葉は相手の攻撃を前に出ながら交そうとするが、林石龍の多彩な攻撃に手も足も出ない。
逆に林石龍は双葉の攻めを軽々とかわし掌底を心臓に当てる。
発勁こそ出さないがその時点で一本となる。
ムニュの手触りを満喫しているのか、助平親父め!
悔しいが防げない以上は己の未熟と割り切るしかない。
だがただやられっぱなしの双葉ではない。
相手の攻撃を真似てそれをどのようにかわすかを覚えて取り入れる。
攻撃も防御も最高の見本がいるのだから利用しない手はない。
少しづつだがコツがつかめてきた気がする。
相手の攻撃をかわすときはぎりぎりまで見切り、前に出ながら最小限の動きで紙一重でよける。
到達目標がわかっているのだから、あとは鍛錬あるのみ!
鍛錬以外にも戦いにおける考え方なども学んでいく。
相手の技量にもよるが、二人が開いてなら弱い方を先に倒す。
三人以上なら一番強い頭を全力で倒す。
互角以上の相手と戦う時は相手の弱点を突くのが上策などである。
おいそれとは弱点情報が得られないのは当然ではあるが、努力する価値は十二分にある。
師匠の弱点は分り易かった。
ラッキースケベを見逃さないことだ!
たとえ戦闘中であっても。
半年がたった。
初めて双葉は林石龍の心臓に掌底を当てることができた。
偶然のラッキースケベに目を奪われた瞬間だった。
さらに数か月後初めてムニュを防ぐことができた。
少し悲しそうな顔の林石龍。ざまあ。
しかしながらどちらもまだまだまぐれの域に近い。
さらなる精進を心に誓った。
このころから発勁の鍛錬も始まった。
裏山にある大木に掌底を当て気を発する。
師匠の林石龍が手本を見せたときは大木が激しく振動して木の葉が舞った。
双葉には3か所の丹田に気を貯めて一気に打ち出すのじゃと。
なに?丹田の場所がわからないじゃと?
まず上丹田はここじゃと眉間の真ん中に指をあてここじゃ!
中丹田は、、、強引に道着の胸を開けて、胸の中央の位置を指を当ててここじゃ!
そして、一番重要な下丹田は、、、へその指3本分下の、、、こりゃ、動く出ない!
道着に指を突っ込んで直に触ろうとする師匠の目がぎらついている⁈
この助平親父め⁈技の伝授にかこつけて好き勝手なことを!
この辺?いやもう少し下か?とわざともたついている。
やはりこの目で見ながらでにゃいと、正確な位置が、、、
いきなり有無を言わさず下道着をへそ下が見えるまで引き下げて、おぉ!ここじゃ!
師匠は助平親父から一段格上のエロ親父へと昇格した。
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