第9話、Kさん&Yさん 監視カメラ

 今回は、KさんとYさんの話である。

 いつものように事務所で仕事をしていた。いつものようにYさんの雑談も始まった。

 この時は、Yさんの自分の将来についてだった。

 Yさんの声は大きく、内緒話でも声は大きい。当時、事務所には上司であるKさんもいたが、派遣社員であるYさんは大きい声で「自分はここから早く独立したい」といっていた。

 話をしていると、YさんのそばにKさんが寄って来た。Yさんがパニック状態になった。KさんがYさんのそばから離れていく。

 Yさんがいうには、

  「何で、Kさんに私の話が聞こえるんだ!?」

 私はきょとんとして、

 「いや、(Yさんの)声大きいし…」

 突然、Yさんが頭を抱えて喚き出した。

 「そうだ! きっとそうだ。机の下に監視カメラがあるんだ!」

 それは、Yさんのいままでにないパニック状態であった。

 異変に気づいたのか、またもや、KさんがYさんに近寄って来る。私の方を見るが、私もYさんの異変の原因がよく分からない。

 KさんがYさんの元を離れて自分の席に返ろうと私のそばを通りがかった時、変な声を聞いた。

 「スレンダーな女を抱きたい」

 Kさんの顔を見ると口は開いてはいなかったが、事務所には他に誰もいなかった。

 以前に、Kさんが「僕は奥さんを愛しています」といっていたのに、いきなり何だろうか?

 Kさんの奥さんはスレンダーな人何だろうか。

 目の前のYさんもスレンダーな女性だった。 

 ……え、こっちのこと?

 見上げると、そこには神棚があった。

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