第2話 内省

家に帰ってから、私はむずむずした感覚で落ち着かなかったのである。何故、高校生になったのかというミステリーを追求したいわけではない。私は現に男子高校生となった訳だが、そうやって、家には居られなくなってコンビニで適当に何かを買って、コンビニから近くにある公園に行って一息ついた。


私は自分の昔の高校生活の悔いを考えていた。それは、どうやら勉強をもう少しまともに効率よく出来たのかなとか、人ともっと積極的に混じれば良いなと思っていた。

然し、どれもぱっとしない。私は高校生活に何を求めていたのか。ただ漠然と寂寞とした想いが風とともに心を過ぎる。


もう少し考えてみようかなと思ってまたコンビニへ向かい飲み物を買って今度は別の駅前の公園に行き会社帰りの通行人を見ていた。


「あの人にも、あの人にも明日がある」

そうやって呟いた。通行人がまるで銀河のようでその星は流れるように明日へと帰宅する様に流れていく感じだった。

私は空を見上げて、思った。

きっと、夏休みの宿題みたいに、最初の1週間で終わらせようとしても、きっと、先延ばしにして結局やらなかったり、今回もそうなのかな。今回も高校生活は流れるように終わるのかな。


いや、そうはさせない。そうはさせないんだ。きっと、上手くいく。何が?

上手くいくんだって、何がって言わないでよ。私は高校生活で、勉強を頑張ろう、部活も幽霊部員にならないように頑張ろう、人付き合いもそれなりに頑張ろう、頑張ろう、頑張ろう。


これって決められた規範とか決められた自由に従ってそこに幸せを見出してるだけなんじゃないの?って思わない、思わない。


よしっ、そう決めて私はルーズリーフとシャーペンをネットでポチった。筆箱と、洋服と、それなりに買ってみたら20,000円前後になったので、クレカで支払おうと思ったが、クレカがなかったので、私は帰り際にプリペイドカードを買って帰っていく。


明日は何しよう。明日は。明日から、何をやり直そうか。そうやって内省を続けている夜だった。

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男子高校生に、なってた。 @kyoko2580

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