第2話:完全無欠の最強美少女
…まあつまり、俺とは関係のない人種ってことだな!彼女が最強美少女なんて呼ばれている理由も、昼休みに寝たふりしてたら耳に入ってきただけだし。
あまりにも俺と関係のない人種すぎて、彼女は俺のことを学校で認識すらしていないだろう。
なので、
「ええと、ごめん、なんで私のこと知ってるのかな…?」
彼女はバチバチに俺のことを警戒していた。
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「改めまして、俺は
「いや、ほんっっっとにゴメンね!?まさかゲーセンに同級生がいるとは思わなくてさ」
所変わってゲーセンのすぐそばにあるチェーン店のカフェ。目の前で姫崎さんが全力で謝っていた。
バチバチ警戒モードに入っていた姫崎さんの誤解を解くためにゲーセンであれやこれやと説明した結果、逆に姫崎さんをバキバキ謝罪モードにしてしまって、改めて謝罪をしたいと半ば強引にカフェに連れてこられたのだ。ちなみになんか嫌みたいな感じで説明したが普通に嬉しい。
「いや、全然気にしてないから。むしろ、突然話しかけてしまって申し訳ないというか」
「いやいや、そりゃああれだけ連戦した相手がクラスメイトだったら話しかけちゃうよ、悪いのは失礼な態度をとった私の方で…」
「いやいやいや、そもそも俺があんなに…」
ダメだ!お互いに謝りあって埒が明かない!
とりあえず、話を変えて誤魔化そう。
「コホン。ところで、姫崎さんもゲームとかやるんだね。しかもめちゃ強いし」
「そりゃあ私だってゲームくらいやるよ!というか、結構やり込むタイプだからね?」
まあ、そこそこ強い(自認)俺に対して20連勝もするくらいだ。強いのは伝わってくる。
「にしても、佐々木くんもなかなか負けず嫌いだね。あんなにボコボコにしたのに、何回も向かってくるなんて。普通の人ならブチギレだよ」
「ボコッ…。まあ、ボコボコは言い過ぎだね。もう少しで勝てそうだから連戦しただけだし」
「あはは、ごめんごめん。ついつい言いすぎちゃったね」
「………」
なんだろう。絶対に目の前のクソアマをぶちのめしてやろうという気概が心の奥底のロケットストーブから吹き出してきた。とりあえず目線で威嚇しておこう。
…なんて、目線を向けると、超絶美少女もこちらを向いていて、バッチリ目が合ってしまった。
綺麗な亜麻色でふわふわとしたミディアムヘアが優しい雰囲気を出しつつも、あまりにも整いすぎている目鼻立ちはどこか冷たさを感じさせる。…あまりにも美少女すぎないか、このクソアマ。
「…?私の顔に何かついてるかな?」
「いや、そんなベタなこと言わんでも…」
美少女な上にあざとさも兼ね備えているなんて、さすが「最強」だな…。
「まあとにかく、次は負けないからな」
「望むところだよ、佐々木くん」
彼女は指先を唇にあてながら、背中を反らして見下すようなポーズをとってくる。…だからなんだ、そのあざとさは。
「そろそろ時間も遅いし、帰ろうか、佐々木くん」
「ああ、そうだな。お会計は…っと」
伝票を眺めながら、財布を取り出して開く。開いた。
と同時にプライドをドブに捨てた。
「ごめん、お金貸してくれないかな…」
「え?それはちょっとダサすぎじゃない?」
そういえば、俺、こいつと連戦するために全財産使い果たしたんだったな…。
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