第2章
13.「学園での事件」
その後。
北にある魔王国の魔王城地下牢へと、ダークエルフたちを救出しに行った。
漆黒の魔王城では、警備を任されていたモンスターたちとは、戦闘にはならなかった。
僕の部下であるブラックドラゴンのブラドラとサユの部下になったゴーレムが同行していたこともあるが、そんなことよりももっと予想外の事態が起きて、モンスターたちに大きな影響を与えたからだ。
「皆の者、よく聞くワン! 我は魔王だワン! 少々見た目は変わってしまったが、今後も我のために働くワン!」
城内のモンスターたちは、犬になってしまった魔王を見ると、「ガア?」「ピギィ?」「ピィ?」と、首を傾げた後。
「ワオ!? どこに行くワン! 戻って来いワン!」
肩を竦めて、仕事を放って立ち去っていった。
「犬の命令は聞けないってことワン!? っていうか、犬じゃないワン! 我は魔王ワン! よくもまぁこの我に対して舐めた態度を取ってくれたものワン! 全員ぶっ殺してやるワン! 『ファイアブレイド』!」
「『プロテクト』! ちょっと、危ないし! こんな古い城で戦闘して、崩壊してカカスちゃんの仲間が生き埋めになったりしたら、どうするし!」
犬の姿になっても魔法は使えるらしく、尚且つ相手は人間ではないため、攻撃することも可能だが、カカスが防いだため、モンスターたちは全員逃げ延びた。
ちなみに、魔王だった頃に比べると、明らかに弱体化している――けど、並の冒険者よりはずっと強い感じだ。
※―※―※
「おお、カカス!」
「やっぱりカカスだったのね!」
「助けてくれてありがとう!」
「……別に礼なんて良いし。家族と村のみんなを守るのなんて、当然だし。それに、あーしにとって魔王討伐なんて、朝飯前だったし」
両親に抱きしめられ、村の仲間たちから賛辞を受けるカカスは、照れ臭そうに頬を赤らめる。
「ふんっ」
憮然とする犬が魔王だとは、誰も気付かないようだった。
ちなみに、ラルシィ・レピア・ファーラ・ナフィの四人は、ラルシィが生み出した世界樹の蔦を身体中に巻いて、服の代わりにしている。
なお、世界樹はあの場所でずっと生き続けるのかと思ったら、突如消えて、光の塊となり、ラルシィの体内へと入っていった。
どうやら、今後はラルシィが自由に世界樹を任意の場所に出現させることが出来るようになったようだ。一種の固有スキルと言っても良いだろう。
世界樹を操るだなんて、規格外で格好良い!
「おーほっほっほ~! 今なら貴方にも勝てましてよ、ヴィラゴ・フォン・テンドガリア!
とまぁ、再び勝負を吹っ掛けられたけど、「ぐへへ。俺様に二度も挑むとは、良い度胸だ。だが、まず今は、事件解決の報告が先決だ。また今度な」と、躱しておいた。
※―※―※
「ガハハハハ! まさか魔王討伐を成し遂げてくるとはな! 流石は我が息子だ!」
家に戻ると、父がアツい抱擁をしてくれた。
「坊ちゃま、カッコ良いです!」
「流石は坊ちゃまです」
「坊ちゃま、御立派になられて! 感慨深いです!」
メイドのメメイと執事長兼私兵団団長のワドス、それに料理長のフシェも称賛してくれた。
ふっふっふ。僕は真の悪役貴族だからね!
こうやって、威圧と恐怖で周囲の人たちに無理矢理褒めさせることが出来るんだ!
「ガハハハハ! 今宵は宴だ! 祝宴だ!」
父の一言で、僕たちはパーティーを行うことになった。
「いや、その前に、国王さまに報告すべきだと思うんすけど……」
部下になったため、一緒に僕の家に来たサユが、戸惑いながら呟く。
「ぐへへ。俺様は真の悪役貴族だからな。君主への報告よりも祝杯を挙げる方が先だ」
「流石ヴィラゴさま! とっても悪役っぽいわ!」
「ハッ! ヴィラゴさまの好きにすれば良いのさ! 当然あたいらは、それに従う。あたいらは国王じゃなくて、ヴィラゴさまの部下だからね!」
「わーい! ナフィもお祝いの方が好きなの! たくさん食べて飲んで騒ぐの!」
「いやいやいや、悪役とは言え、〝貴族〟っすよね? そんな行動原理で動いてたら、貴族社会なんて崩壊しちゃうっすよ!?」
賛同するレピア・ファーラ・ナフィと対照的に、サユは両手を広げて突っ込んだ。
本当、サユは真面目だなぁ。
ちなみに、部下にしたゴーレムを、サユは国境付近で解放した。
「ゴオ……」
「自分は勇者っす! あんたが悪い奴じゃないのは分かってるっすけど、モンスターと一緒に暮らす訳にはいかないっす……」
寂しそうにする彼に対して、サユは切なそうな表情を浮かべながら別れた。
「って、何であんたは普通にブラックドラゴンを家に連れ帰ってるっすか!?」
そして今、サユは、庭にいるブラドラを窓越しに指差す。
「ぐへへ。今更だな。それは勿論、俺様が真の悪役貴族だからだ」
「理由になってないっす!」
「ブラドラは俺様の部下だからな」
「よくもまぁ、街の人たちが騒がないっすね!」
確かに剣魔闘大会から帰ってきた当初は、「ド、ドラゴン!?」「うわあああ!」と、飛翔してきた彼を見て、人々はパニックになり掛けたが。
「静まりなさい! このドラゴンは、ヴィラゴさまがテイムされたのよ!」
「ハッ! 魔王が嗾けてきたコイツを、圧倒的な実力差を見せつけて、逆に自分の部下にしちまったのさ」
「ヴィラゴさまだから、そのくらいは楽勝なの!」
ブラドラの背の上から、レピアたちが叫ぶと。
「ヴィラゴさまか……それなら、有り得るか」
「そうね。奴隷少女三人をたった一ヶ月で、S級に育て上げたヴィラゴさまなら、ドラゴンくらいテイムしちゃいそうね」
あっさりと納得してしまったのだった。
「それは分かったっすけど……何で他の魔王幹部モンスターたちまでいるっすか!?」
ブラドラの近くには、今回の戦争でファーラが部下にしたブラックベアのベベア、レピアの部下となったフェンリルのフェリリ、ナフィの部下のグリフォンのグフォンが佇んでいる。既にレピアたちが名前をつけてあるのだ。
「ぐへへ。何を言ってるんだ? お前も見ただろうが。魔王城から戻ってくる際に、国境付近でアイツらに会ったことを」
彼女たち(全員雌)は、それぞれティームヴィック王国の西端・東端・南端から、突然空間転移してしまった上司であるファーラたちの魔力を感知して、国境沿いに(グフォンだけは南端から一直線に空路で)追ってきたのだ。
「そういうことじゃなくて、一匹でも問題なのに、魔王幹部モンスターが四匹もいるって、何考えてるっすか!? ここを第二の魔王城にでもするつもりっすか!?」
「ぐへへ。愚問だな。魔王本人がここにいる時点で、そんなことを問う意味は無い」
「そう言えばそうだったっすううううう!」
勿論、父親や使用人たちにも、魔王のことは伝えてある。
呪いによって、魔王は僕の仲間・家族・使用人・善良な市民に対する一切の攻撃を禁じられているから安心して欲しい、ということも。
流石に最初はビックリしていたけど、みんな受け入れてくれた。
少し離れたところにいる魔王に目をやる。
「我は魔王だワン! 頭が高いワン!」
「ほら、ターサ。ご飯ですよ~」
「ワオン! 骨だワン! ……ハッ! ……仕方ないから、食ってやるワン」
偉そうにしている魔王だったが、メメイに骨を与えられると、齧り付いていた。
なお、魔王という呼称はまずいため、今後人前ではターサと呼ぶことにした。
実は女性だったって聞いたし、それも踏まえた上での名前で、我ながら良いネーミングセンスだと思う!
「テンドガリア領のケーキ屋も中々美味ですわね。もぐもぐ」
いつも通り頬をパンパンに膨らませながらケーキを貪るラルシィは、彼女の父が治める南の領土に戻る前に、今夜はうちでパーティーに参加するようだ。既にうちの屋敷にある通信魔導具を使って、彼女自身が家族にその旨を伝えてある。
ちなみに、レピアたちと一緒に我が家のドレスに着替えたラルシィだが、彼女が王都で部下にしたクレイドラゴンに関しても、他の魔王幹部モンスターたちのように彼女の魔力を探って追いかけてきており、北の国境付近にて再会したのだが、彼女は別れを選択した。
「短い間でしたが、王都では、私の部下として戦ったこと、感謝していますわ。でも、もう貴方は自由ですわ。好きなところへ行きなさい。私にとってのケーキのように、大切な存在に出会えることを祈っていますわ」
何か、格好いい!
そんな訳で、僕の家には、モンスター含め、仲間たちが大勢集まっていた。
ただ、残念ながらカカスだけは、家族と一緒にダークエルフの村に帰った。
※―※―※
と思っていたら。
「キャハッ♪ ダークエルフの美少女カカスちゃん、参上だし!」
夕食の準備が出来た直後、カカスがやってきた。
彼女曰く、空間転移魔法を使える仲間の力を借りたらしい。
という訳で、僕は、仲間たち全員と、部下たちモンスターと、更には魔王ターサと共に、パーティを楽しんだ。
「魔王討伐の祝勝会に、何故か魔王幹部モンスターたちがいて、剰え魔王本人もいるって、カオス過ぎて言葉もないっす……」
複雑な表情を浮かべて何だか元気がない様子のサユ。
「ぐへへ。サユ。お前は俺様の部下だからな。今後はこの家で一緒に暮らしてもらう」
「え!? 一つ屋根の下でっすか!? そ、そんな……まだ早いっすよ……!」
一気にサユの血色が良くなる。
ふっふっふ。
僕の圧倒的な威厳によって、高揚感を得たようだね!
どうだ! これが真の悪役貴族だ!
「ガハハハハ! 皆の者、今宵は我が息子が仲間たちと力を合わせて魔王討伐を成し遂げた記念すべき夜だ! 大いに飲んで食べてくれ! 乾杯!」
「「「「「乾杯!」」」」」
父の音頭によって、祝宴は始まった。
いつも美味しいフシェと料理人たちの料理だけど、今日は量も種類もいつもの比ではなくて、味も気合が入っているのが分かる! めちゃくちゃ美味だ!
「美味しいわ!」
「ハッ! 勝利の美酒は格別だね!」
「お肉もサラダもスープもスイーツも全部美味しいの!」
「一仕事終わった後の一杯はしみるっすね!」
「まぁ、うちのシェフほどではないけど、ここの料理人たちも中々やりますわね。もぐもぐ」
現代日本と違って、この異世界だと、お酒を飲んじゃいけない年齢とか特に無いみたいだ。
まぁ、流石に幼い子に飲ませたりはしないだろうけど。
人間用の料理はダイニングルームの長テーブルに置かれたけど、ブラドラたちの料理は庭に準備された。
「ガァッ!」
「ゴアッ!」
「グルッ!」
「ピイッ!」
途中から僕は、庭に移動して、美味そうに巨大な肉に齧り付く彼ら彼女らと語らった。
何度もブラドラと話している内に何を言っているのか分かったのと同じように、ベベア・フェリリ・グフォンの言葉も何となく分かるようになった。
こんなところでも七つスキルの一つ『超成長』は大活躍だね!
まぁ、スキルなんて使わなくても、レピアたちは、自分の部下とはちゃんと意思疎通出来てるみたいだけどね。
《私も身体があったら、一緒に乾杯して一緒に喜べるのに……》
脳内にサポさんの声が響く。
「サポさん、本当にありがとうね! サポさんが教えてくれたから、事前に色々準備が出来て助かったよ!」
《……コホン。そうよね、そんなこと言ったところでどうしようもないわよね。どういたしまして。ヴィラゴ。よく頑張ったわね》
「うん、本当にありがとう!」
こうして夜は更けていった。
※―※―※
数日後。
「よくぞ魔王国を含む四ヶ国連合から我が国を救ってくれた。感謝する」
ティームヴィック王国国王さまに謁見した僕たちは。
「褒美に、金貨千枚を与える」
一億円相当の褒賞を貰った。
※―※―※
「ぐへへ。みんなで山分けだ」
金貨千枚は、僕たち七人で分け合った。
※―※―※
その後。
平和になったことをきっかけに、僕たち七人はディアフィリップス剣魔学院に入学した。
「学院生活も、大分慣れてきましたわね。もぐもぐ」
王都にあるこの学院に入学してから、一ヶ月が経った。
その名の通り、剣技と魔法を学べる学院だ。
本来の入学時期とはずれていたが、こちらには公爵家子息が二人おり、更に僕たちは国を救った超重要人物だ。交渉する必要もなく許可が下りた。しかも、七人全員が同じクラスだ。
「まさか、学校に行けるだなんて、嬉しいわ!」
「ハッ! 人生、何がどうなるか分かったもんじゃないね!」
「ナフィ、頑張って勉強して、賢くなるの!」
元奴隷のレピアたちは、滅茶苦茶喜んでくれた。
「そうっすね、魔王も倒して勇者としての一番の役目は果たしたっすから、それも良いかもしれないっすね! 魔王幹部モンスターの威嚇のおかげでモンスターたちも大人しくしているっす。今は少しだけ余裕がありそうっすよ!」
「まぁ、暇潰しにはなりますわね。もぐもぐ」
「キャハッ♪ 楽しそうだし! 入学してあげるし!」
サユ・ラルシィ・カカスも快諾してくれた。
良かった!
せっかく出来た仲間だし、こういうのちょっと良いかもって思ったんだよね!
ただ、まぁ、みんな戦闘能力はS級なので、実技の授業は無双してしまうんだけどね。
でも、だからこそ、彼女たち同士の戦いはものすごく見応えがある。
実力が均衡していて、引き分けに終わるんだけど、良い戦闘訓練になってるようだ。
かくいう僕も、彼女たちとの模擬戦はすごく刺激的で、並みの冒険者相手じゃこんな高度な訓練は出来ないだろうから、助かる。
ちなみに、自分の家からだと流石に遠いので、みんな寮で暮らしている。
「ぐへへ。許せ、ブラドラ」
ブラドラたちは目立つので、お留守番だ。
魔王ターサに一緒に来るかと聞いたけど、「何が悲しくて魔王が学校に通わなければならないワン?」と断られてしまったので、彼女も家にいる。
週に一回は帰って様子を見ているけど、呪いが掛かってることもあって、悪さをすることもなく、至って平和だ。まぁ、ブラドラたちと肉を取り合ったりすることはあるみたいだけど、そのくらいは可愛いもんだ。
※―※―※
そんなある日。
「はじめまして、皆さん。新任教師のスーフォルです。担当は魔法学です。宜しくお願いします」
にこやかな笑みを浮かべた、人当たりの良い眼鏡の先生がやってきた。
その指には、鮮やかな赤い指輪が光っている。
「……あの教師、どっかで見た気がするし……」
カカスがポツリと呟いた。
※―※―※
休み時間にて。
「ぐへへ。今日は、ケーキが無くなるのがやけに早くないか?」
ラルシィは公爵家の権力を用いて複数の机を占領、その上に王都中央通りのケーキ屋店長たちに持って来させた大量のケーキを置いておいて、学校が終わる頃にちょうど無くなる、というペースで食べるんだけど、今日はまだ午前中なのに、もう無くなってる。
「何か、『本当ですの!? この二倍の量のケーキを下さるだなんて!』って言って、一瞬で残り全部を平らげると、ウキウキでスーフォル先生についていったっすよ」
いや、あの量を一瞬て!
どんだけ健啖家なんだよ!
以前にも増して、ラルシィの大食いは酷くなっている気がする。
まぁ、それで健康を損なっている訳でもないし、公爵家の彼女は当然経済的余裕もあるし、別に良いんだけどね。
《〝スライムたちによる呪いで全滅エンド〟のフラグが立ちました。って、え!? 何このフラグ!? 気を付けて、ヴィラゴ!》
「うん、分かった! ありがとう、サポさん!」
と、その時、僕の脳内にサポさんの戸惑った声が響き、僕は小さな声で返事をした。
「きゃああああ!」
「な、何でこんなところにスライムが!」
「しかも、こいつら何か様子がおかしい! うわああああ!」
悲鳴が聞こえて、「ぐへへ。行くぞ」と、僕は仲間たちと共に走り出す。
訓練場に着くと。
「あぁ……」
「うぅ……」
「!」
休み時間を利用して訓練していた生徒たち数人が、吐血して倒れていた。
その傍には、ゼリー状の球体の最弱モンスターであるスライム十匹がぷよんぷよんと飛び跳ねている。
「「……『カー……ス……』……」」
「! ぐへへ。『
「! 一体どうなってるし!? 『
スライムが呪術魔法を使用したことに驚愕しつつも、僕とカカスは自分たちに掛けられた呪いを解くと同時に、倒れている生徒たちの解呪も行う。
「ほら、これを飲んで! しっかりするっす!」
流石は勇者、学院内でも常に聖鎧を身に纏うサユは、ハイポーションも常備しているらしく、倒れている生徒たちを回復させていく。
「やあああああ!」
「おらああああ!」
「たあああああ!」
と同時に、レピア・ファーラ・ナフィが、それぞれレイピア・戦斧・ナイフでスライムたちを一瞬で倒す。
「フフフッ。彼らの呪術魔法を解呪するとは、中々やりますね」
「!?」
空を見上げると、そこには、新任教師スーフォルの姿があった。
魔法で静止する彼が両手で抱えるのは、意識を失ったラルシィだ。
「ぐへへ。そいつに何をした? 返せ」
即座に跳躍、魔王討伐後に新たに入手したオリハルコン製長剣で斬り掛かるも。
キン
「!」
「そう慌てないことです、ヴィラゴ君。いずれ君とは、きちんと対決してあげますから。それに、彼女には睡眠薬入りのケーキを食べさせて眠らせているだけです。安心して下さい」
防御魔法に阻まれ、刃が弾かれて、僕は敢え無く落下する。
「思い出したし! アイツの名前は、マヴァヌだし! 村にあった絵で見たことあるし!」
「フフフッ。まさかこんな若いダークエルフにまで知られているとは、油断しました」
魔法で姿を変えていたのか、マヴァヌの肌が褐色に変化、耳が尖っていく。
「こんなことして、何が狙いっすか!?」
「フフフッ。勇者ですか。何も心配することはありません。ワタシはただ、〝魔神〟を復活させたいだけですよ。ラルシィ君が体内に持つ世界樹の魔力を使って、ね」
「なっ!?」
サユが目を剥く。
「そうそう、それと、レピア君、ファーラ君、ナフィ君。君たちの村を襲ったモンスターたち、呪術魔法を使ったでしょう? ああでも、ナフィ君の呪いはモンスターのものではなかったのでしたね。それはともかく、君たちの村を襲ったモンスターは全部、ワタシの固有スキルである〝スーパーテイム〟で呪術魔法の能力を付与した者たちだったんですよ。そう、彼らを嗾けたのは、このワタシだったのです。何も知らずに魔王を倒して仇を討てたと満足しているとか、滑稽にも程がありますね、フフフッ」
「「「!」」」
愉悦に口角を上げるマヴァヌ。
「許せないわ! 『アイス・ペネトレーション』!」
「ハッ! 殺す! 『ディストラクティブ・ファイアアックス』!」
「ナフィ、怒ったの! 『ワールウィンド』!」
怒りを露にしたレピアたちが跳躍し、氷・炎・風を纏ったレイピア・戦斧・ナイフで攻撃するが。
「フフフッ。待っていますよ、君たちの挑戦を。まぁ、もしもワタシを見付け出せれば、ですが。フフフッ。フハハハハハ!」
マヴァヌの指輪が怪しげに輝いたかと思うと、その姿がラルシィと共に掻き消えて攻撃は空を切り、嘲笑だけが響いた。
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