③
月が照らす道を少女と手を繋いで歩く。
「ドロボーのおにーちゃん、これからどこへいくの?」
少女の問いかけに僕は首を横に振る。
「分からない、まだ決めていない。……君はあの家に戻りたいかい?」
すると彼女も僕と同じ仕草をしてみせた。
「君も僕も居たくない場所を居場所にしなくてもいいんだ」
目的地はないし、当てもない。それでも僕らは歩き続けた。いつかこの道が明るい未来に続いていると信じて。
今日が僕の泥棒記念日。初めて盗んだのは僕と同じ儚い命でした。
≪終≫
今日が僕の泥棒記念日 あおじ @03-16
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