思想の質感
思想を、誰かが答えとして完成させたものというより、ある人の人生の中で育ってきた“質感のある言葉”として向き合ってみた。
すると、相容れないはずの考え方であっても、その感触を楽しむことができた。挑戦の質感、深い思索の質感、強いこだわりの質感、言葉は様々な触り心地で僕を楽しませてくれる。
思想は言葉に依存し、人の多様性の上に成り立っているから、受け取る人や語りの文脈、時代によって正しさが変わる。もちろん、普遍性を帯びる思想もあるのかもしれなくて、それを探すことにはロマンをかきたてられる。
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思想にとって論理や根拠は大切だ。けれど、それだけでは成り立たない気がする。体験や感情が抜け落ちた思想には、“重さ”という質感が欠けてしまう。体験や感情が含まれることで、手のひらに載せたとき、心地よく馴染むような、やわらかな重みを感じることができる。
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個人が自分の弱さや未熟さを含めて語る“想い”。そうした想いが紡ぐ言葉は、聞く者の自由を奪わない。「ここから先はあなたの番だよ」という“選択肢”として手のひらに収まる。
その質感に“勇気”と名付けなくなるのは、僕だけだろうか。
そしてその“勇気”のようなものは、受け取った人の中でまた別の質感へと変化して、やがて思想という形になり、時を超えるのかもしれない。
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