掌編エッセイ - 探究と観察 -
維枦八(いろはち)
硝子のオブジェ
思索をしていると、突然視界が開け、構造が見える瞬間がある。そのときに見える構造は、たとえどんなにありふれたものだとしても、とても美しい姿をしていて、僕は
けれど、それを思索の世界から持ち出すことは不可能だった。
繊細な硝子のオブジェは、触れるだけで粉々に砕けてしまう。後に残るのは新たな問いだけだ。
せめて幾何学模様だけでもと、何度もスケッチを試みたが、必ずどこかに歪みが出てしまう。完璧だったはずの模様に矛盾が生まれる。
それならばと、オブジェをただ観察してみることにした。そして、そのときに自分の中で起きた出来事を言葉にしてみることにした。
僕は、書き上げたもの――観察の痕跡に“思索のログ”という名前を付けた。
いつか、あの素晴らしいオブジェを誰かと一緒に眺めてみたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。