第5話 俺が聖女になるまで 4

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<神話級・光属性魔法:ゴッドヒール>

どんな傷や病気、状態異常にかかっても即全回復。ただし効果が強すぎて対象を選ばないと爆発する。ヤバい魔法。


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 そんな説明書きが、発動してからステータスウィンドウに表示された。



 遅いよ。なんで使ってから説明見れるようになるの。


 現在、俺は盗賊の男一人を回復魔法で殺してしまった。

 回復魔法で人を殺すってなんだろう......。


 さすが神話級というべきか......いや、そもそも神話級がどれくらいすごいのかわからないけど、名前からしてヤバそうなのはすごく伝わった。

 もう驚きすぎて、人を殺めてしまったことに何も感じなくなっている。デブ男はグロテスクにも肉塊になってしまった。


 そしてまたも『テッテレー』という聞き覚えのある効果音も聞こえてくる。


 俺はステータスウィンドウを確認した。



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【名前】 クズミ

【性別】 女

【役職】 なし

【強さ】 普通 → まぁまぁ強い

【スキル】 <代償>

【魔法】<初級・光属性魔法:ピュアキュア>、<神話級・光属性魔法:ゴッドヒール>、<初級・鑑定魔法:ビギナーリアライズ>

【備考】 未使用、不老不死、一日一善しないとアレされる


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■■■ <代償>スキル ■■■

スキル所持者が善人の状態で、悪いことをすると強くなるスキル。



〜 悪いこと一覧 〜


◯殺害する !Clear!

【代償】

 道徳

【対価】

 やや強くなる


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 ああ、うん。強くなったんだね。

 悪いことリストにあった、誰かを殺すという項目を達成したからね......。



 「ひ、ひぃ! 誰か! 誰か助けてくれぇ!」



 と、デブ男が目の前で急に爆発した場面を目の当たりにしたガリガリ男が、少女を置き去りにして逃げていった。


 そりゃあビビって逃げるわ。


 少女はというと、白目を向いて気絶していた。

 どうやら刺激が強かったらしい。俺もこんな体験したことないから、今すぐにでも吐きたい、泣きたい気持ちでいっぱいだった。


 ああ、無理。やっぱ吐きそう。



 「おえぇ......」



 斯くして、異世界転生した俺ことクズミの聖女伝説が始まる。


 出だしは最悪の一言に尽きるが、まぁ、それなりに頑張ろうと思う。

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