第6話 第六章「星の記憶」

悠真が審判の剣を振るい、虚界の王を討ったその瞬間——彼の存在は世界から消えた。裁判所の記録も、王都の人々の記憶も、彼の名を語る者はいない。

ただ一人、リリスだけが彼の記憶を持っていた。

「彼は確かにいた。私の隣で、世界を守った」

だが、審神者たちは首を振る。

「記録にない者は、存在しない。リリスよ、汝の記憶は“幻想”かもしれぬ」

それでもリリスは諦めなかった。彼女は裁判所を離れ、悠真の痕跡を探す旅に出る。

向かった先は、異世界を繋ぐ“星の回廊”。そこには、時空の門を通った者の残響が、星の記憶として刻まれているという。

回廊の奥深く、リリスは一つの星に触れる。

——そこには、悠真の声が残っていた。

「リリス。もし俺が消えても、君が覚えていてくれるなら、それでいい。俺は君の記憶の中で、生き続ける」

涙が頬を伝う。

「悠真…私は、あなたを忘れない。たとえ世界が否定しても、私の心が証人よ」

その瞬間、星の回廊が輝き、時空の門が再び開いた。

そして——

異世界の果て、静かな森の中。少年が目を覚ます。

「…ここは?」

彼の瞳は、かつての悠真と同じ色をしていた。

世界は彼を忘れても、星は彼を覚えていた。

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