第5話 第五章「審判の剣」
封印の間に響く魔力の衝突音。虚界の王は、次元の書から黒炎を放ち、空間そのものを歪ませていた。
「この世界は脆い。お前が“門”であるならば、我が力を通す器にもなれるはずだ」
悠真は覚醒した魔力を制御しながら、リリスに叫ぶ。
「俺の力だけじゃ、こいつを止められない!」
リリスは静かに頷き、手にした杖を地面に突き立てた。
「ならば、裁判所の“審判の剣”を使うしかない。これは、世界の均衡を守るために創られた究極の魔具。だが、使うには代償が必要——」
「代償?」
「使用者の“存在の記録”が消える。この世界にいた痕跡が、すべて無に帰すの」
悠真は一瞬ためらうが、虚界の王が王都の空を裂こうとするのを見て、決意する。
「俺が使う。俺がこの世界に来た意味が、今ここにあるなら——それを果たす」
審神者たちが再び姿を現し、裁判所の天井が開かれる。そこに浮かぶのは、光の剣——“審判の剣”。
悠真が剣を握ると、彼の身体に刻まれた時空の紋章が輝き、七つの異世界の力が彼に集う。
「虚界の王よ。お前の裁きは、ここで終わる!」
剣を振るうと、空間が裂け、虚界の王の身体が光に包まれて消滅していく。
だがその瞬間、悠真の姿もまた、光に溶けていった。
「悠真…!」
リリスが叫ぶが、彼の存在は世界から消え去る。裁判所の記録にも、王都の人々の記憶にも、彼の名は残らなかった。
ただ一人、リリスの胸にだけ、彼の記憶が刻まれていた。
そして、裁判所の石碑には新たな言葉が刻まれる。
「時空の門、神谷悠真。世界を繋ぎ、守りし者。その名は風に、記憶は星に——」
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