第7話 第七章「リリスの旅路」

星の回廊で悠真の声を聞いたリリスは、確信を得た。

「彼はまだどこかにいる。記憶が消えても、魂は消えない」

審神者たちは彼女の旅を止めようとしたが、リリスは裁判所の魔法契約を破棄し、自由の身となった。彼女の目的はただ一つ——悠真の魂を見つけ、再びこの世界に呼び戻すこと。

彼女が最初に向かったのは、次元の書に記された“七つの門”の一つ、風の世界アエリス。そこは空に浮かぶ島々が連なる、風精霊の住まう世界だった。

リリスは風の巫女・セフィナと出会う。

「あなたの探す者は、“風の門”を通ってこの世界に来たかもしれません。だが、彼は記憶を持たず、名も知らぬまま風の民に保護されている」

リリスは風の民の村へ向かい、そこで一人の青年と出会う。

彼は悠真によく似ていたが、名前も過去も覚えていなかった。ただ、星を見上げる瞳だけが、かつての彼を思わせた。

「君は…悠真なの?」

青年は首をかしげる。

「その名前…聞いたことがある気がする。でも、思い出せない」

リリスはそっと彼の手に触れ、魔法を使って記憶の残響を探る。

——そこには、審判の剣を振るう悠真の姿が、微かに残っていた。

「やっぱり…あなたは悠真。世界が忘れても、私が覚えてる。だから、もう一度——一緒に歩こう」

青年の瞳に光が宿る。

「リリス…君の声、覚えてる。俺は…君を守るために戦った。俺は…神谷悠真だ」

記憶が戻った瞬間、風の世界に異変が起きる。虚界の王の残滓が、次元の裂け目から侵食を始めていた。

リリスと悠真は再び手を取り合い、世界を守るために立ち上がる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る