第3話 第三章「封印の記憶」
休廷の間、悠真はリリスと共に王都の地下にある“記憶の泉”へと向かっていた。そこは、異世界の者が持ち込んだ記憶を魔法で再生する場所。封印の証文が光ったことで、悠真の中に眠る記憶が呼び起こされる可能性があった。
泉の前に立つと、リリスが呪文を唱える。
「記憶よ、時空を越えて姿を現せ——」
泉の水面が揺れ、悠真の脳裏に映像が流れ込んだ。
——そこには、幼い頃の悠真が異世界の神殿に立っていた。彼の前には、巨大な魔法陣。そして、彼の手には“次元の書”が握られていた。
「君は“鍵”なんだ。世界を繋ぐ者として、選ばれた存在——」
そう語るのは、白髪の魔導師。彼は悠真に微笑みながら、書を封印する儀式を行っていた。
「この記憶…俺は、昔この世界に来たことがある…?」
リリスは驚きながらも頷いた。
「あなたは“時空の鍵”として、幼い頃にこの世界に召喚され、次元の書を封印する役目を果たした。でも、その記憶は帰還と同時に封印されたのよ」
悠真は震える声で言った。
「じゃあ、俺が再びこの世界に来たことで…その封印が解けてしまった?」
リリスは静かに答える。
「そう。そして、次元の書が再び開かれれば、世界は崩壊する。あなたは裁かれるべき存在ではなく、“守る者”なのよ」
その時、泉の奥から黒い影が現れた。
「ようやく目覚めたか、“鍵”よ。次元の書は我が手にある。世界の再構築は、我が意志によって成される」
それは、かつて封印された“虚界の王”——次元の書に宿る意識体だった。
裁判は、もはや悠真の罪を問うものではなく、世界の命運を賭けた戦いの序章となった。
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