第2話 第二章「時空監査官クロノの告発」
法廷に響く重い足音。黒衣の男、クロノ・ヴァルガは冷たい瞳で悠真を見下ろした。
「神谷悠真。汝が次元の書を開いた瞬間、我が世界に“時空の歪み”が発生した。王都北部では魔力の暴走により、三つの村が消滅した。これは偶然ではない」
悠真は言葉を失った。自分がそんな災厄を引き起こしたなど、信じられない。
リリスは冷静に反論する。
「その歪みは、悠真が召喚された直後に発生したもの。彼が意図的に魔力を行使した証拠はない。むしろ、召喚魔法を使った者がいるはずです」
審神者の一人が頷く。
「確かに、召喚には“媒介者”が必要。神谷悠真が自ら来たのではないなら、誰かが彼を呼び寄せたことになる」
クロノは口元を歪めた。
「その通り。だが、問題はその媒介者が“存在しない”ことだ。記録にも痕跡にも、召喚者の魔力反応はない。つまり、彼自身が“媒介者”であり、“扉を開いた者”なのだ」
法廷が静まり返る。
その時、悠真の胸元が淡く光った。彼が異世界に来た時に握っていた古文書の切れ端——それが、魔力を帯びて輝き始めたのだ。
リリスが目を見開く。
「これは…“封印の証文”。悠真は召喚されたのではなく、“封印された存在”だった可能性がある。つまり、彼はこの世界に来ることで、何かを封じていた力を解放してしまった…!」
審神者たちはざわめき、裁判は一時休廷となった。
悠真はリリスに問う。
「俺は…本当に罪人なのか?」
リリスは静かに首を振った。
「まだ分からない。でも、あなたの中に眠る“何か”が、この世界の運命を左右するのは確かよ」
そして、夜の王都に響く鐘の音とともに、異世界裁判の第二幕が幕を開ける——。
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