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「七瀬なんかやめればいいのに」




小さくこぼした友里の言葉に気がつかないフリをして。


わかっていないフリをする。




これ以上傷つくことはない。


もう、あの電話が最後。




そう言い聞かせる。





「そういえば、圭太に電話した時に言ってたんだけど、今度大きな集まりがあるんだって」



「集まり?」



「須崎から聞いてない?」



「うん、…聞いてない」



「なんか今回は特別で、たくさん人集めてほしいんだって」



「何かあるの?」



「うん、たぶん?」




友里も詳しいことは聞いていないらしく、首をかしげる。




「行くでしょ?」



「……行ってもいいのかな?」



「ダメなことないでしょ。人集めてるんだから」




それもそうか、と。


七瀬くんと顔を合わせないわけがない、その大きな集まりに行くのはかなり億劫。



私は今まで通り、何事もなかったかのように、七瀬くんに接することができるかな?




と。



机の上に置いていた携帯が震える。


画面が光り、そこには須崎七瀬の文字。




”今日放課後、時間ある?”




安心と不安が一緒に襲ってくる。


いっそのこと断ってしまい。



先延ばしにすればするほど、会いづらくなるのは目に見えているのに。





「…今日、七瀬くんに聞いてみるね」




「え、会うの?」




「うん。今、連絡きた」




「そうなんだ」




後戻りは考えない。


前に進むこともできない。




きっと私と七瀬くんの関係に未来はない。



もうすぐ、”今”でさえも終わってしまう。




それが、今日じゃないことを祈るばかり。










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