第4章 水中と壊れかけの過去 その②
~高校二年~冬~
その日もいつも通りのいじられて終わると思った。
けど、その日は違った。
その日は体育があった。
自分たちの学校は二クラス合同男女別で行われていた。
自分のクラスは男子たちの着替え場所になるので隣のクラスに移動する。
その日も体育が終わってみんな着替えて元のクラスに戻った。
自分は髪が体育で崩れたので結びなおそうとしていた。
その時一人の陽キャ女子が言った。
「○○ぴょんってさ、前髪作んないの?」と。
自分は癖っ毛だから前髪を作らず伸ばして横髪と一緒に縛っていた。
「いや、癖が強くなるから嫌なんだよ。」と、その日はいつもより抵抗してみた。
それがだめだったのかもしれない。それが仇になったのかもしれない。
陽キャ女子は「生意気な口きいてんじゃないよ。
あ、そうだいいこと思いついた!!☆
今から前髪いい感じに切ってあげるよ~!!!!!
ね、○○ぴょんもいいでしょ☆!!」と。
そんなの了承するわけないやんって思って言葉で返そうとした。
でも、声が出なかった。
そしたら陽キャ女子は自分を引っ張ってゴミ箱のあるところまで連れてきた。
そして自分の筆箱に入ってたハサミを取り出してじょきと切った。
その後もじょきじょき切られた。
一瞬何が起こったかわからなかった。
何?????????????え???
頭の中はパニックだった。
だけど、幸いなのは休憩が10分しかなかったから前髪だけだった。
これが昼休みくらいながければ坊主になっていたのかもしれない。
授業終了後、トイレに行って鏡を見るととてつもなく短い前髪になっていた。
だから当然癖もしゃれにならないほどでていた。
ハサミだって髪の毛を切るようとかじゃなく、普通にプリントとかを切ったりする用だから歯切れも悪くなっていた。
そして、プロじゃないからとてつもなくガタガタしていた。
自分はまた放課後、いじられまくった。
今までの比ではないくらいに。
自分の心はパリんと壊れた。
いつまでもいつまでもいじられという水中におぼれていた。
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