カラスとこうもりのバトルレジェンド

@kfujiwarajp2000

第1話 カラスの定位置

「だいたいよ、俺たちがいるからこうもりが来ないんじゃん」

「来たら本気でやるよ! 俺」

「こうやって毎日同じ電信柱の上でじっと監視している俺たちのこと、誰も知っちゃくれないけど」

「こうもりはやばいよ!・・・あいつら―」

「ウイルスやいろんな病気の宝庫だからな」

「ほかの鳥たちは逃げるばっかりだからさ」

「俺は戦うよ!」

「またやった後の屍にも病気がついていて、俺たちは食わねえよ」

「だから大きな声で鳴いて猫と犬に教えてるのさ、ここに何かあるよ!って」

「感謝してほしいよ、まったく」

「もし俺たちがいなくなったら、このあたり一帯の家の屋根裏はこうもりの住みかになっちゃうよ!間違いなく」


御影町の住宅街の電線の上に集合したカラスたちが話しています。


「なんか、ニワトリに病気をうつしてるのは俺たちだって決めつけられてるような気がする」

「もともと嫌ってるのさ、だからなんでも悪者扱い」

「俺たち渡り鳥じゃないし、奴らと接触しないから一番安全な鳥なんだよカラスは」

「そうだよ、渡り鳥とこうもりさ、病気をばらまいてるやつは」


そう言っているところに若いこうもりが一匹飛んできました。

「おーい、黒い兄弟、コンチワ、こうもりのカイルだよ!よろしく」

「えー、お若いの、ここは初めてかい?」

「全く初めての地区さ、いろいろ教えてくれないかい?よろしくー」

「おーっと・っと、 あんまり近寄らないでくれないか」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

カラスとこうもりのバトルレジェンド @kfujiwarajp2000

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る