第6話調査隊

無事(?〕に進化したハットは近隣では安定した基盤を構築していた。

 

「えーマイクのテスト中、マイクのテスト中」

「ハットさんのそれ、何のボケか全く分からないからツッコミ出来ないんスですけど。」

 最近、ケイくんこと団員で1番の俺の理解者だが、前世の後輩のデジャヴを見ているようで、ほのぼのしてしまう。

 実は丸星カミキリは俺なら1対1でも勝てるようになっている。既に合計10体以上倒して補食した。ちなみに隣のケイくんは丸星カミキリには勝てないまでも、補食されない体に成長している。

 今、ケイくんは紫の体になっている。たまたまぷっ倒した珍しい毒毒しい蜘蛛をケイくんの食事に混ぜたドッキリ企画が功を奏した形だ。

 俺も流石に気持ち悪いと思って食べなかったとは口が裂けてもケイくんには言えない。

 ドッキリでしたーっと伝える前にぶっ倒れて、マジで死んだかと思ってちょいと焦った。

 ケイくんが復活した時は【ポイズンワーム】となったのだが、もちろん俺のイタズラだと丸わかりなので、思いっきりブチ切れられたのは言うまでもない。

 本人は、もう可愛子ちゃんと結婚出来ない体になってしまった〜と明後日の心配をしている。そもそもそんな相手はいないので問題ないだろう。


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「みんなに相談があります。少し遠出して来ます。」

「「「またリーダーが何か変な事考えてる。」」」

 普通のイモムシはこんな事は考えない。

 丸星カミキリという天敵が怖くなくなり、皆は落ち着いて来ていた。要は当たり前だが現状に満足していたのだ。

 元日本サラリーマンの隼人の考えとしては、【夢なき物に成功なし、成長なくして成功なし】が心に根付いていた。

 小さな世界では満足出来なくなっていたのだ。

 その為、皆が興味が出るように話始めた。

「皆は1番好きのものは何ですか?そこに落ちている葉っぱですか?えー、それで満足したら勿体無い。世界は広い(どれだけ広いかは知らない〕、感動する食べ物は無数にある(おそらく)、俺たちはもうかなり強くなっていて補食される恐れは無い(カミキリだけにはね〕、なので調査隊として俺とケイくんが2チーム組んで少し離れたところを調査してこようと思う。生活圏拡大バンザイ、美味しい食べ物ゲットだぜ作戦だね。」

「「「おー!」」」

 最近は具体的な脅威が無く、皆楽観的になって来ていたが、やはり未知の美味しいモノの想像に興味津々になる。ただ、何匹かの仲間が質問して来た。

「あ、でもここは誰が守ってくれるんです?」

「リーダーとケイくん意外はカミキリに対応出来そうにないんですけど。」

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