第5話1つ目の進化?

無事丸星カミキリを倒したあと、ハット達は葉っぱ宴会満喫中だった。

そこでハットは気になっていた事を実行したいと思い、みんなを集めた。

「えっと、確認なんだけど倒した丸星カミキリは皆はどうしたい?」

「「「は?どうもしないですよ。」」」

 全員がハットが何を言ってるのか分からない様子だ。当たり前だが完全に自分達の補食者であり、そもそも見たくもない天敵なのだから。

「じゃあ貰っていいかな?」

「「「◯✖️△※、、どうぞどうぞ、誰も要らないです。」」」

 イモムシ団全員は何を言ってるのか分からないですよとボヤいていたが、後半からはコイツは頭がおかしくなったのかと心配し始めている。

 

 おもむろにハットが丸星カミキリに齧り付いた。

「うーん、想像通り皮はむちゃくちゃ硬いし、不味いね。あーアゴが壊れそうだ。」

「「「はぁー?」」」

「ハットさん、麻薬草でも食べてイッチャッテルんスか?全員ドン引きっスよ。」

変わったリーダーだとは思っていおり、ここまで酷いのかと呆れていたメンバーだが、ハットの顔色が黒くなり意識を失うと流石に全員が心配して駆け寄る。

 ハットの身体全体が黒く変色し、全く動かなくなってしまった。

しばらくした後。。。

 【新種 スターワームへ進化しました】

 頭の中に言葉が響いて来た。

 何となくゆっくり目を開けるとメンバー全員が心配してこちらを見ている。

「いやー、ちょっと気分が悪くなって意識飛んでたよ。もう大丈夫。逆に調子良いかもね。」

「「「ハットさん、ちょっと、全く知らない別種になってますよ。と言うかあなた何者ですか?」」」

 自分の体を見ると漆黒の中に小さな星の様なアザのある風体に変わっていた。

 体に触れると硬い皮に覆われており、ちょっとやそっとでは傷付きそうにない。

 ハットは異世界という事もあり、実はほんの少しだけ期待していた。

 エネルギーを摂取をしていく中で地球では感じられない成長があった。もし、上位種のエネルギーを補食したら成長するのではないかとの仮定があった。ただ失神するほど不味いというおまけがついて来たが自分としては仮定が真実となって達成感に浸っている。超大口顧客の商談成立のような感動である。

「失神するけど死にはしないかったからセーフだね。あんまりエネルギーは残ってないかも知れないけど、また丸星カマキリあるよ。誰が食べる?」

「「「絶対嫌だ。」」」

 みんなの冷めた目線を受けながら残りの丸星カミキリを綺麗に補食し、さらに成長しつつ、再度失神していたイカれたハットだった。

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