第二話 サキュバスは巨乳痴女なお姉さんじゃないとダメだ

 思わず口をポカンとあけた。


「ふっふっ、いきなりわれが出てきて驚いているようだな!」


 自慢げなロリは腕を組んで貫禄をみせようとしている。


「お嬢ちゃん、部屋間違ってるよ。お家分かるかな?」


「むっ! おぬし、われを人間と勘違いしてるな!」


 眉間に皺を寄せて頬っぺたを膨らませる。


「え、お前がサキュバス?」


「いかにも! 我が名はリナ・フランベルト! 妍姿艶質なフランベルト一族の血が流れるサキュバスである!」


 鼻高々に名乗っているが、ただの少女にしか見えない。


 確かに際どいボンテージだし、黒い角と尻尾もあるが、何というか。


「色気がない」


「えっ」


「サキュバスって巨乳で尻もでかくて痴女っぽいものじゃないか。お前にはその要素がない」


「えっ、あっ」


 さっきまでの威勢をなくしてアタフタし始めた。


「それじゃあその、フランクフルト一族?の面汚しだな」


「う、う、うわあああああん」


 大人げない言動を浴びせられて少女は大泣きする。


「なるもん、胸もお尻もおっきくなるもん! エッチにもなるもん!」


「あ、ごめん」


 少女が惨めに思えて言い過ぎたと後悔した。


「あと、フランクフルトじゃなくてフランベルトだもん!」

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