エッチの欠片もないサキュバスを養うことになったんだが

お茶の間ぽんこ

第一話 始まりは黒歴史っぽい変な本から

 もう、どうにでもなっちまえ。彼女が他の男と寝ているは、仕事で大目玉を食らうは、道に落ちてるガムを踏むはで、何から何までついてない。


 一人やけ酒をして誰もいない夜道をふらふらと歩く。


「あーもう人生クソだ! 死にてぇ!」


 近所迷惑など気にしないで静かな住宅街で叫ぶ。


 ポトッ。目の前に何かが落ちてきた。


 街灯に照らされたそれは薄い本だった。


「サキュバスの召喚方法」そうタイトルに記されていた。


 中を見ると魔法陣や呪文などが一ページに収まる程度に書かれていた。どうせ中二病をの男が書いたに違いない。


 読み進めると最後の一文にこう書き記されている。


「命を対価に最高の快楽が享受できる」


 思わず吹き出してしまった。


「今死にたい俺にとっちゃ最高じゃないか」


 面白半分で召喚儀式を実践することにした。


 家に帰るや否や、床にマジックで魔法陣を描いて電気を消して召喚呪文を唱えた。


 瞬間、魔法陣から閃光が走る。


 視界が漂白されたように真っ白になった。


 眩しさのあまり手で目を覆う。


 数秒たって瞼から突き抜ける光が落ち着き、暗闇に戻ったので電気をつけた。


「おぬしか、われに快楽を求める者は?」


 サキュバスの様相をした貧乳ロリツインテールの少女がいた。

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