#2 出会い


 私がカフェを開きたいと言う夢を持って幾年。その夢はずっと変わらず、私はコーヒーのアレンジレシピを繰り返し作り上げていった。

 そこで、話は変わるが……高校生の頃に出会った、今も親友の三門晶政みかどしょうせいという男がいる。

 そいつと仲良くなったきっかけは、互いに「料理好き」というところからだった。

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「なあなぁ、お前。新学期の初めの時に自己紹介で「料理が好き」って言ってたよな。俺も料理好きなんやけど、」

 最初に話しかけてきたのは三門の方からだ。私は自分で言うのもなんだが、友達も沢山いて陽キャ的存在だった。それに比べ、三門はいつも独りでいて、本なのかノートなのかよく分からない物を読んでいた。同じクラスメイトだったので、名前はなんとなく知っていたものの、話しかけられるとは思ってもいなくて、相当驚いてしまった。

「おっ、おう。料理?好きで!好き好き。みかど?で、あってるよね。三門も料理するんやね」

 あの頃の私は、そう言って流そうとしていた。それで話は終わりだと思っていた。しかし、

「今度さ、一緒にうちで料理せん?」

 そんな急な誘いに、私はまたもや驚いてしまった。その時は、驚きが積み重なって、よく分からない返事をしていたと思う。

「へっ??あ、はい。わかりました」

 その場では、連絡先を交換し、その日はもう話すこともなく、普通に学校も終わり、帰宅して豆乳と蜂蜜のカフェオレを飲んでいた。その時、一通のメールが届いた。送り主は……「三門晶政」だ。

 

 {今日、話しかけた三門だけど、今週の土曜日にうちで料理しよ。}


 {いいよ!家はどこら辺?何時頃に行けばいいかな?}


 私はそう返信し、教えてもらった地域とその周辺の地図を見て、集合場所へ向かった。その集合場所は、三門のお気に入り?の場所らしく、路地を抜けた先にある、ちょっとした広場だった。そこは、苔むした石畳の少しジメッとした空間で、ビルとビルの隙間から光が差し、ぽつんとあるベンチが輝いている。そう、そここそが今の私のカフェがある場所なのだが、まぁそれは一旦置いておこう。

 そのベンチに座っていたのは、見慣れたっちゃ見慣れた顔の男が座っていた。三門だ。

「おぉーい!三門、お待たせ。」

 そう声をかけると、三門は学校での雰囲気とは全然違う明るい雰囲気を纏っていた。

「お!おはよう。早速うちに向かうか。着いてきて、すぐそこだから」

 それから数分歩いて、三門の家に着いた。

「おじゃまします!」

 きちんと挨拶ができてた私は偉いと思う。友達の中でも、行儀が悪かったり、マナーがなってなかったりする奴らが多くて、そんな奴らを見る度に、私はイライラしていたのを覚えている。私は行儀が良いところが我ながら自慢だった。

 

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