通電停止中に真っ暗闇の中で考えていたこと

夢美瑠瑠

第1話

 いろいろと事情があって、56日間電気のない暮らしを余儀なくされた。


 「原始人の暮らし」? と、そういうプリミティヴな趣もあった。

 だいたいがイナカ暮らし。 いわゆる「オール電化」の家で、お湯も沸かせず、洗濯も風呂もダメ。


 真っ暗の虚空を見つめつつ、「早く電気が点いてくれ~」みたいに、じっと耐え忍ぶしかなかった。


 「なにかをガマンし続ける」ということが、現代人は少ない。 気もする。

 オレの場合は、34年前に心疾患で13日間入院した時に、そのレアなケース?に遭遇し、それ以来という感じでした。


 で、そういう場合には普段と意識状態が変容していて…「アルタードステイツ」、とそういう趣もあった。


 「アルタード…」の意味については、端折りますが、いろいろと、普段には思い浮かばないことが種々様々に、心中に去来しました。


 ひまでひまで~で、俳句をひたすらひねったりした…これは最近に情緒不安定の対抗策として採用する方略。


 <停電夜 PASTIMEなくKILLTIME>

 <幼き日 影絵幻視す 虫すだく>

 <虫の声 ”カクテルパーティー” 連想す>


 真っ暗で、虫の声しかしないので、そういう句を詠むしかないのだ…「埴生の宿」という曲がありますが、その、「月は主、虫は友」というくだりを何度も想起する…しまいには歌ったりもしたw

 「庭の千草も虫の音も~消えて、さあみいしいく、なありにける~」という懐メロも、ヤケクソで? 放歌高吟したりしたw


 ドストエフスキーは、「死の家の記録」という小説…”シベリア送り”になった時のハナシらしいですが、その中で「人間はどういう状況にも適応する生き物だ」という箴言を書いているが、「ほんまにそうやなあ」と、つくづく納得した。


 そういう「極限状況」ほどに面白い小説になりうるシチュエーションは少ない…「戦争小説」が多い所以ともいえよう。


 





   

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通電停止中に真っ暗闇の中で考えていたこと 夢美瑠瑠 @joeyasushi

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