甘くて、痛くて、離れられない逃避行
- ★★★ Excellent!!!
母子家庭で育った、どこか影のある如月恭平。同じクラスの滝野一花は、心配性な母親と共に面談へ向かう廊下の途中、ふと窓の外、バイクで風を切る恭平と目が合った。一瞬の出来事だったが、どこか心に残った。
高校2年の文化祭で二人の距離は一気に縮まるが、その日を境に二人の運命は急激に動き出す。
高校生活での恭平と一花の初々しいやり取りは、青さもぎこちなさも全部が愛おしく、読んでいるこちらもドキドキです。
二人でバイクに乗るシーンでは、素っ気ない恭平が段々と一花へ想いを寄せていく心の動きが繊細で美しいです。
二人の逃避行はテンポよく進み、息つく暇もありません。まるで取り巻く環境が次々と変化していくことに戸惑う二人を写したようで、スラスラと読めるのに心が苦しくなっていきます。
青春の甘酸っぱさにキュンキュンしながら、幼い二人の小さな逃避行がどこへ辿り着くのかを思うと心苦しくもあり、それでも、この先の結末を楽しみに待っています。
どうか、二人が幸せな場所へ辿り着けますように!