第2話501回目攻略は領地を買う
真っ暗な視界から…
ゆっくりと世界が広がった。
俺は…誰だ?
なんでこんな場所にいるんだ…。
すると、金髪ロングの軽装備の少女が
―――俺の前に立ち止まった。
「何度負けても君の味方だよ。また会えたね」
ニコッと笑みを浮かべていた。
誰だろう?
でも、この子を見ると何か大事なこと――
「私は女神ちゃん。君の友達でもある。もちろん、ベストパートナーよ」
……何故か思い出したくなかった。
てか、なんで俺が来るのが分かってるんだ?
「ふむふむ、また記憶を失ってるね」
「なんで分かるんだよ?」
「だって、君と私は同じ出会い方をしてるから。君が記憶をなくしても私が覚えてるのよ」
…前の俺を知ってる感じなのか?
ならなんで俺は……記憶にないんだよ。
「なんで覚えてんだよ」
「女神ちゃんだからだよ」
「意味わかんねぇよ……」
「意味はあとからついてくるって、君の口からよく言ってたかな」
「特典みたいな言い方やめろよ」
完全に俺を知ってる熟知されたやり取り。
初めてなのに……変だよなぁ。
「うーん」
「歯痒い顔してますね」
「何で君だけなのか」
「にゃん?」
「さっき言ってただろ? 君の記憶を知ってるってさ」
「私にも説明しきれないことがあるにゃん」
「にゃんってなんだよ、さっきから」
「簡単に言えば、君が私を求めてた」
「へー」
色々気になるけど…
まぁ、考えても仕方がないな。
「ねぇ、名前まだ思い出せないの?」
「わからない」
「君の名前は――“氷華”だよ」
俺は何故かドキッとした。
…どっかでそう呼ばれていたような?
でも、思い出そうとすると…
深い霧が目の前に現れるんだ。
「考え事?」
「人間みたいに呼ぶんだなってな」
「当たり前じゃない?」
「そうかな」
「そうだよ! 親しい関係だよ?」
「なんか不公平だな」
「不公平でも、楽しむのよ!」
――親しい距離感の女神ちゃん。
「まぁまぁ、アイス食べよ」
「リスタートしたばっかりだけど」
「記念に食べてたよ?」
前の俺はリスタートを楽しんでやがった!?
ん、でも……この世界のアイスは個性的な味だな。
なんか渋いな。
「一口ちょうだい」
「え?」
「いいから…はむっ!」
拒否るより速く俺のアイスを…!
「んまぁい!」
しかも、この子の笑みが眩しい…!
女神ちゃんってほんと可愛いよな。
過去の俺、どんなことしてたか気になるなぁ。
あれ……なんだか……意識……が……?
「女神ちゃん、これどこで買った?」
「港町にある…露店だよ……」
「だめだ……女神ちゃん……」
「ご、ごめんなさい……」
静かに二人はベンチの上で、寄り添うように目を閉じた――――
システムログ
園内キルが発生しました。
理由
偽造ポーション配合により毒死。
セーブポイントへ戻ります…。
「―――っ!?」
何か悪い夢を見た気分だ。
殺されたより酷い死に方した気が…。
しかも、今いる場所は始まりの街…。
あれ、なんで入口にいるんだ?
「…何度負けても君の味方だよ。また会えたね」
少しばかり海風が吹いた。
「は? いや、さっき会っただろ?」
「え、今が”初めて”だよ」
さすがに俺は焦った。
どういう事だ……!?
ついさっきの言葉だろ、それ!?
ほんの数分前の話、やばいやばいって脳内がやたらうるさい。
いや、まてよ……もしかして”死に戻り”って奴か、これ?
ループ以外に、なんでそんなのがあるんだ……?
冷静に考えれば、そうだった。
女神ちゃんすら分からない部分が今起きた。
……嫌な汗が頬から流れ落ちた。
ただ分かるのは、このゲーム、ただのループだけじゃない。
一体誰が何のために……?
知りたい、この意味わからない謎を俺は知りたい。喉から手が出る程にだ。
俺なんか、未知な冒険が始まりそうで身体がうずうずしてる。
「……?」
「いや、なんでもねぇ」
まぁ、言えるわけないか。
こんな話しても誰も信じないだろうからな。
とりあえず、偽造ポーションを売り飛ばすか。
これやばい。
なんでこんなのあるんだ。
にしても、始まりの街の近くに……。
めちゃくちゃいい砂浜あったんだな。
「ねぇ、領地買わない?」
「突飛な提案を却下する」
「なんで!?」
「だって、管理苦手だし?」
「…クソゲーなら暇を持て余さない!」
「おっ!?」
「――そんな言葉がありましてね」
確かに暇を持て余さない意味で…
領地を買えば解決だよな。
「攻略拠点としてもいいな」
「うんうん!」
「目を輝かせないでくれ」
あと、個人的には…
スローライフしながら攻略出来るしな。
「クソゲーだから、退屈ゲーをぶつけて攻略するか」
「簡単に行くかな?」
「勝つ必要ないし、ルールすらこの世界は狂ってる。なら、折れにいくまでの話だな」
「なんか、かっこいい!」
「だろー?」
「うん!」
まぁ、こんな日も悪くないな…
謎の頭痛も気になるところ。
考えても仕方がないか…
とりあえず、領地を開発するとしますかねぇ。
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