第3話 女神ちゃんと領地
取引所に出品したアイテムは即完売した。
毒入りポーションへ、
お前の今後の活躍を期待…しちゃダメか。
てなわけで…
貯金口座に980億フェアになった。
「…数十億?!」
「夫婦として使いましょう」
「え?」
桁、バグってるのか。間違ってないだと…。
女神ちゃんの目がキラキラしている。
「私を養って―」
「養うなら、もう少し先かな」
「なんで?!」
「やるべき事、まだ終わってないから」
「なるほど! その後に…だね!」
てか…本当に、売って良かったのか?
うん、まぁ、気にしちゃダメか。
まぁ、小さな未来は少しぐらい俺も欲しいからな。
目的あると楽しみ増えるしな。
「君と住むなら、二階建てかな?」
「もう結婚しましょ!!」
「まだ早いって!! 鼻血流すなよ!?」
「えへへ……想像してたんだよ」
夢を見過ぎだろ、女神ちゃん……。
まぁ、悪くないと思うからいっか。
んじゃ、購入ボタンをぼちりっと。
あれ、領地セットじゃん?
やったぜ。
「夢のマイホームをゲットしたぜ」
「ふへへ…」
「別荘も作れるぜ……」
「セレブっていいよねぇ」
「まぁなー」
「野宿しなくて済むからねぇ…」
「急に生々しいこと言うな!」
「いてっ!? 氷華のバカ!」
「夢を見てワクワクしようぜ」
「野宿は?」
「なにそれ? 俺たちから遠い世界の話だな」
「現実を受け入れなくなったわ!?」
まぁ、システム的には、街づくりとか領地開発とか、なんか色々できちゃう系ってガイドに書いてあった。
まぁ、とにかくお得だってことか……。
――――――――
リスタート後、初めて始まりの街を出た――
見晴らしがいい草原だった。
「……」
「どうしたの?」
「ん、いや……。女神ちゃんさ」
「ん?」
「俺のループとか、そのやり直し系ってさ。ずっとだった?」
「そうね、氷華も知りたいだろうから言うわね。その感覚は正しいよ」
俺はゾッとした、それは何を意味するか。
死に戻りもループも、ずっと繰り返してる。
まるで俺に呪いが付与された感じだ。
逃れられない運命ってことかよ……!
圧倒的理不尽が、俺を押しつぶしにくる。
「でもね、それでも君は私を求め。私は君を求めた……。これって運命じゃない?」
何言ってんだよこいつ……。
てへっ的な顔するなよ。辛気臭く考えてんのバカみたいじゃねぇか。気を取り直すか。
「領地に行こ!」
「徒歩五分ぐらいか」
「最寄り駅みたい?」
「どっから覚えたんだよ、それ!?」
今日は天候がいいな……。
モブは昼寝してるぐらい――
日差しの温もりがいい。
「眠くなるな」
「ふふん」
「楽しそうだな」
女神ちゃんはルンルンと先を歩く。
「ルンルルン――」
「子供みたいだな」
「何言ってんの!? 私は子供じゃなくて大人よ?」
「いや知らねぇよ」
「あはは―――」
…とか思いながらも、画面内に何か書いてあるのが目に止まる。
“NPCカスタマイズ”
何だ、この謎システム…。
でも、これ触ってダメなやつだろ…?
「氷華の視線がいやらしい……」
「特に意味がないよ」
「自分好みにしようと……考えてますね?」
「――ギクッ」
「氷華は変態だね」
「変態で何が悪い。解せぬぞ」
女神ちゃんは、謎の剣を生成した。
手に取り、剣を愛おしく眺めていた。
「私を君の好みにされるのは……ヤダ」
あの距離感で…
全否定とか理不尽しかないなぁ。
「うぐぐ…!」
何か物で釣ろう…
それが平和的解決方法だな。
「…ソーダフロート買ってあげるぞ」
「なにそれ!?」
「この世にはない格別な…美味しい飲み物だぞ…!」
「おぉっ!?」
「まず、その謎の剣しまうんだ…」
「はーい」
女神ちゃんの手から剣が消えた。
チョロいなぁ…助かったけど。
でもさ…
そんな飲み物あるか分からないけどな。
にしても、女神ちゃん…服が汚れてるな。
「それで、なんで私を見てるの?」
「汚れてるなぁってね」
「替えの服はないよ」
「女の子だから、着替えなきゃダメだぞ!」
「着替えキャンセル界隈です」
「そんなこと言うとモテませんよ?」
「はうっ!? 酷いよバカ!!」
女神ちゃんの服もだけど…
んー、青いよなカーソル。
でも、なんでだろうな…?
青はプレイヤーを意味してる。
けど、なぜ表示がNPCなんだろう…?
「着替えは可愛いのがいい」
「ほー」
「私、女の子だよ?」
「へー」
「適当に聞き流さないでよ!!」
「ま、良いのあるぞ」
俺はウィンドを開いてスライドした。
女神ちゃんに衣類をプレゼントした。
「……」
女神ちゃんが神妙な顔になる。
まぁ、ある意味、特注なレア防具だからな。
海風が吹き付けた。
さざ波が岩にぶつかる音が鳴り響く―――。
その名も聖なるバニーガール!!
我ながら神レベルの衣類を提供したんだ!
―――が、女神ちゃんにビンタされた。
「変態のド変態!! もう少し可愛いのあるでしょ!! こんな性癖むき出しのもの誰が着るのよ!? このバカ!!」
激おこだった…。
女の子ってやっぱり怖いなぁ。
まぁ、女神ちゃんの反応が…
めっちゃリアルだもん。
人間味ある反応が貰えたから、これはこれで…。
俺は改めて女神ちゃんへ…
衣類をプレゼントした。
「私服なのにレア度高い衣類!?」
「戦闘向けでもあるんだよ」
「凄い!? ありがとう!!」
「抱きつくなって…」
「へへ…“これは初めて”かな――」
「ん?」
「な、なんでもないよ!」
女神ちゃんは淡い光を放った。
俺がプレゼントした衣類へと変化した。
「似合ってるぞ」
「ありがとう!」
女神ちゃんは嬉しそうに俺に抱きついた。
「また手に入れたらあげるよ」
「氷華のバカ!」
このバカでさえ喜んで言ってんなぁ。
…もうさ。
女神ちゃんだけ救えばいいよな。
――って、何言ってんだ俺!?
「あ、メッセージきた」
「は?」
「来てくれるみたいだよ」
いつの間に誰とチャットしてたんだ…?
まぁいい、領地に戻るか。
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